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17歳の寄り道
第13章 【碧編】春の観測会
触れられないと落ち着かない、いてもたってもいられないあの衝動は、遥と最後に会った日からほとんど消えている。

早くしなきゃと急いで干していたら、家の前の道路が少し明るみ、私が門を開けたと同時に先生の車が着いた。

窓はすでに開いていて、先生の手とコンビニの袋がにゅっと出てきた。

「はい。食べなさい」
「ありがとうございます…」

ふふっと笑ったら、先生も頭を掻きながら微笑む。

「早かったですね、美咲ちゃん送り届けるの…」

無意識に出た言葉には、ヤキモチが少しだけくっついて、ちょっとだけささくれ立っていた。

美咲ちゃんが…私と同じように先生に迫ったら、私と同じような展開になるのかな。って…
そんな小汚い考えを抱いていた自分に気付き、私ってつまんない女だなぁと落ち込む。

「家に送るだけだもん。何もないよ。本人元気だったし」
「そうだね…」

じゃあ…プリンを渡しに来てくれたのも、何も意味はないのかな?
なんて…、聞かないけれど。

すると、急に村上先生が笑い出した。

「プリン見たら思い出すんだよね。まんまるで満月みたいで白川の顔に似てない?」

ひっ…

「ひどいぃ~!」

人の顔をプリンや満月扱い!
私が怒ったら、先生は車の中でお腹を抱えて笑っていた。

先生って、実はデリカシーないの!?
私の事、太ってるって思ってたのっ!?

「じゃあね。早く寝なさい。プリン食うのは明日でもいいから」
「あ、うん。夜食べたら、余計にまんまるになっちゃうもんね…。太っちゃうし」
と嫌味を言うと、また、ぶーっと吹き出された。

「太ってないよ。元気かどうか確認したかっただけだから」
「…元気にはなった。」
「よかった。じゃあ、明日遅刻しないように」

笑顔で頷いて見せると、ウィーンと窓が閉まってゆき、先生は帰って行く。
先生は……こんな風に、遥の家にも通っていたのかな。

プリンを縁側に置いて、残りの洗濯物に手をつけた。
村上先生が来てくれただけで、あっという間に心が晴れた。
これから、プリンと満月を見たら村上先生を思い出しそうだ。

「失礼すぎる…」とつぶやきながら、空になったかごを持ち、軽い足取りで家に入った。
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