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17歳の寄り道
第15章 【千晴編】17歳、須賀千晴
高校2年生。夏。
期末の結果は散々だったけど、今日終業式が終わって、夏休み!
残念ながら赤点補習が数日間あるけど、それまでは休みを楽しむつもり。

夏休みが来た。やっと………

「千晴、夏休み遊ぼうね」

素直でかわいい碧は、男子だらけのこのクラスで、私を除く唯一の女子。東野君を始め、碧の人気は高い。

担任の村上が、秋から前の職場に戻るらしくて、2学期からA組は違う担任に代わるそうだ。
1年生から見てくれてた村上がいなくなるのはちょっと寂しいけど、まあそういうこともあるよね。
…碧はすごく寂しそうだけど。

そんな碧は、今年の春に学校を辞めた浅野と遠恋してるらしい。
二人がつきあってると聞いた時はびっくりした。
全然お似合いじゃないんだもん。
恋愛に疎そうな碧なのに、あんな破天荒なタイプが好きだったのかと驚いたものだけど、夏休みは浅野に会いに行くって言ってたし、そのためにバイトも始めたらしいから、素直に応援してあげたい。

私が通ってる高校は、お兄ちゃんの母校だ。
ちょうど私が中3の頃、「来年から共学になるんだって!」と親が喜んで私に受験を勧めてきた。
渋々受けたら受かっちゃって、仕方なく通い始めて……
本当は私、行きたい女子高があったんだけど。


入学当初は今よりもっと学校が嫌だった。周りはほぼ男。体育の着替えなんて、いつ覗かれるかと気が気じゃない。共学化するんなら、もっと設備整えてからにしてよ、とよく思ってた。

逆ハーレムもすぐ飽きた。でもまあ、クラスに一人女の子がいたから、今まで何とかやってこれたようなもので。
私一人だったら無理だった。


私には、中学の時から付き合っている彼氏がいた。
中学の時はケンカもなかったけど、私がこの高校に入学してからは、嫉妬なのか、よく突っかかってくるようになって、ケンカしては復活を繰り返していて、現在はとある理由で連絡を取ってない。

向こうも、会いたい時に会えない寂しさもあったんだと思うけど、こっちはそれどころじゃない。
特進にギリギリ合格した分、勉強だってやっとついて行けている状態で、補習は常連。

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