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17歳の寄り道
第19章 【碧編】予兆
この街から離れた遥は、角が取れて、虚勢をはる事もない、普通の17歳になっていた。
きっとこれが普段の遥だったのだろう。
それ程、遥にとって堪え難い環境にいたのだと想像しながら、電車に揺られた。
バス停の近くには私のバイト先であるコンビニがある。バスを待っている間、家で食べるおやつが欲しくなり、立ち寄ってみた。
……太っちゃうな。
「あっ。碧ちゃん!今日休みでしょ?」
この曜日のこの時間は、いつも藤田さんがシフトに入っている。
「はい、用事の帰りなんですが、ちょっと甘いものが欲しくなって…」
と言うと、藤田さんは含み笑いをした。
「何ですか?」
「いや、甘いものほしいのって女の子らしいよね。可愛いなと思って」
「……藤田さん、口うまい…」
この人のこういう所、照れる…。
大学生になったらみんなこんな事言うのかな…。
と思ったのを勘付かれたのか、
「可愛い子にしか言わないよ。今日いい事あった?表情が違う」
と優しげな目を細める藤田さん。
……すごい。わかるんだぁ。
驚いて目を見開いたら、藤田さんが苦笑した。
「あ、当たった?テキトーに言ったんだけどね」
「………テキトーですか…」
そんなテキトーな発言にうっかり喜んじゃったじゃん!
「そろそろバス来るんじゃない?はい、おつかれ」
袋の中にはプリン。
村上先生が持ってきてくれた、あのプリン。
「ありがとうございます」
藤田さんから袋を受け取り外に出ると、ちょうどバスがやってきた。
バス停では、ちょうど出張帰りの母が待っていた。
19時を回った時間で、日帰り出張にしては早めに帰ってこれたようだ。
「お母さん!おかえり」
…と駆け寄ろうとしたが、疲れた横顔が見えて、少し歩みを止めた。
「…ああ、碧。こんな所でどうしたのよ?バイトだったの?凛太は…」
「あのね、お昼前から連れ出して、昼寝しちゃったから家に帰して、おとうさんいたから私だけまた外に出たの。転校して遠い所から会いに来てくれた友達だったから、帰りは見送りに行きたくて…」
「そう…」
疲れた母は、話を聞いているのだか、いないのだか、よくわからなかったけれど、横顔を見ていたら早く休ませてあげたくなった。
きっとこれが普段の遥だったのだろう。
それ程、遥にとって堪え難い環境にいたのだと想像しながら、電車に揺られた。
バス停の近くには私のバイト先であるコンビニがある。バスを待っている間、家で食べるおやつが欲しくなり、立ち寄ってみた。
……太っちゃうな。
「あっ。碧ちゃん!今日休みでしょ?」
この曜日のこの時間は、いつも藤田さんがシフトに入っている。
「はい、用事の帰りなんですが、ちょっと甘いものが欲しくなって…」
と言うと、藤田さんは含み笑いをした。
「何ですか?」
「いや、甘いものほしいのって女の子らしいよね。可愛いなと思って」
「……藤田さん、口うまい…」
この人のこういう所、照れる…。
大学生になったらみんなこんな事言うのかな…。
と思ったのを勘付かれたのか、
「可愛い子にしか言わないよ。今日いい事あった?表情が違う」
と優しげな目を細める藤田さん。
……すごい。わかるんだぁ。
驚いて目を見開いたら、藤田さんが苦笑した。
「あ、当たった?テキトーに言ったんだけどね」
「………テキトーですか…」
そんなテキトーな発言にうっかり喜んじゃったじゃん!
「そろそろバス来るんじゃない?はい、おつかれ」
袋の中にはプリン。
村上先生が持ってきてくれた、あのプリン。
「ありがとうございます」
藤田さんから袋を受け取り外に出ると、ちょうどバスがやってきた。
バス停では、ちょうど出張帰りの母が待っていた。
19時を回った時間で、日帰り出張にしては早めに帰ってこれたようだ。
「お母さん!おかえり」
…と駆け寄ろうとしたが、疲れた横顔が見えて、少し歩みを止めた。
「…ああ、碧。こんな所でどうしたのよ?バイトだったの?凛太は…」
「あのね、お昼前から連れ出して、昼寝しちゃったから家に帰して、おとうさんいたから私だけまた外に出たの。転校して遠い所から会いに来てくれた友達だったから、帰りは見送りに行きたくて…」
「そう…」
疲れた母は、話を聞いているのだか、いないのだか、よくわからなかったけれど、横顔を見ていたら早く休ませてあげたくなった。