この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
17歳の寄り道
第19章 【碧編】予兆
「碧」

出勤前の母が私を呼びとめる。
凛太は保育園の用意を済ませ、玄関で靴を履いている。

「今度の出張ね、宿泊になったの。急だし、家を空けて本当申し訳ないんだけど、家の事お願いできる?お父さんにもちゃんと協力するように言っておくから。翌日は早く帰れるから…」

今度の出張の日は、遥に会いに行く前日。

「うん。でも、次の日は友達に会いに行きたいの…」

遥に会う約束だけは諦めたくないので伝えると、母はあっさり頷いた。

「いいよ。じゃあ、その日は凛太を保育園に送ってくれる?帰り迎えにはお母さん行けるから」

昔は、義父が送ったり、迎えに行くこともあったのに。
最近仕事が忙しいからと、義父は今朝も居間まで下りてこない。
その方が気兼ねしなくてよかったので、私にとっては好都合だった。


掃除に洗濯。買い物。
部屋から義父が出て来る頻度が減ったお陰で、食事を作ったりもできたし、バイトで家を出られる。

今年の夏休みは、自分なりに快適に過ごしていた。


―――そして、遥に会いに行く日の前日。

『ごはん用意できた?お父さんはごはん食べてる?』

出張先から、母が電話をくれる。
私と凛太がちょうど晩御飯の夏野菜カレーを食べていたところだった。

「おとうさんは部屋だよ。お昼は食べてたけど、晩御飯はまだだよ」

『そう。じゃあいいわ』

電話の向こうの母の溜息がこちらに聞こえてくるようだった。
凛太も聞き分けいいし、いつもより静かで大人しい。
夜、母がいないことが寂しいのかなあと思っていた。
しかし凛太は義父にも懐いているし、毎日一緒に寝てるし。

今日さえ乗り越えれば、明日はまた母も帰ってくるし。
それより、遥に会いに行く準備をしよう。

遥に会える喜びでいっぱいになっていた私は、機嫌良く部屋の電気を消し、眠りについた。

明日は、凛太を保育園に送ってから、新幹線に乗って…
明日は、遥にたくさん抱き締めてもらうんだ。
/452ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ