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17歳の寄り道
第20章 【碧編】窮地
卑猥な言葉を存分に浴びせられ、義父の指は止まらない。
痛いんだよ、ヘタクソ!と心の中で叫ぶ。

気持ち悪い、気持ち悪い、気持ち悪い。

全く気持ち良くないのに、私が感じてると思いこんでいる義父はまともじゃない。


「ああ…勃起しちゃったよ。碧ちゃん、お口でできる?」


義父の甘い猫なで声に、ゾッとしながら首を振る。

すると、義父が鼻で笑った。




「お前に断る権利があると思ってんの?」

私の肩を乱暴につかみ、男臭いそこへ嫌がる私の顔を押しつけようとする。

「ほら。しゃぶれよ。俺に刃向えると思うなよ」



私は…こんなクズの言うとおりにしないといけないの…?
義父は、肩を揺らしクッと笑った。

「公園では、邪魔が入ったしね。……覚えてる?驚かせようとしたら、チャラいガキが出てきて、あー、碧ちゃんこんな男とセックスしてんのかって、がっかりしたな」


……公園?

……チャラいガキ?



私が顔を上げると、義父はまだ笑い続けながら、「春の日だよ」と言った。




春の……


遥に助けてもらった、あの時のパーカー男が―――。



「俺だよ。気付いてなかった?」


にやにやしながら、義父が私の肩を揺する。


「いいから咥えろよ。」


「…………」








逃げなきゃ。








私は、咄嗟に机の上のスマホを取り、震える手でどこかに発信した。

「お前、どこに助け求める気だ!貸せ」

義父が私のスマホを取り上げようと手を振り上げた。

「!」

頬をかすめたが、間一髪のところで避け、窓を開ける。


前にも、ここから飛び降りた。
―――遥と一緒なら、怖くなかった。
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