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17歳の寄り道
第21章 【碧編】夏の幻
「病院行く?センセー、このあたり整形どこ?」
「国道沿いにあるよ。白川は俺が連れて行く。浅野は、凛太君連れてって」
「俺が?いいけど、………」
先生は、凛太に騒がれた事をまだ言っていないようで、私と目が合うと、苦笑しながら頭を掻いていた。
「小児科は…内科と一緒になってるクリニックがあったかな。でも、今凛太君が眠れているなら、先に朝飯食うか、白川。診療時間内に行けたらいいから、少しは時間がある」
「食べます!」
遥を迎えに行くついでに、先生は焼き立てパンをどっさり買ってきてくれていた。
凛太を布団ごと和室に移動させ、様子を見ながら食事を取ることにした。
熱は下がらないが、それほど苦しそうにはしていない。
「うわあ~♡おいしそう~♡」
たくさんの種類のパンが、袋にいくつも詰まっていて、ブリオッシュ、ミルクサンド、アボカドサーモン……他たくさん。
目をキラキラさせて眺めていたら、遥が不貞腐れながら先生に言った。
「センセー、俺にもくれんのー」
「お前、何で拗ねてるんだ。いるなら食え。凛太君は…おかゆかな」
二人のやりとりに自然と顔が緩む。
気の置けない人たちとのひとときは、自分は一人ではないと心強く感じる。
「ありがとう、先生も…遥も………」
ミルクサンドを食べながら、俯いて呟く。
先生はコーヒーを淹れていて、遥はバジルチーズを食べていたが、二人の視線が私に集まった。が、遥は何もなかったようにまたパンを食べ始める。
「碧は何も気にすんな」
先生も、カップにコーヒーを注ぎながら、微笑んでいた。
「浅野はブラック飲めねーだろ」
「あ?何で知ってんだよ!」
先生と見合って含み笑いをし、遥が首を傾げる。
「ふふ…仲良いね、ふたり……。……」
この優しい人たちの温かさに、泣けてしまってどうにもならない。
でも、泣くなとは誰も言わない。
何度ありがとうを言ったってきっと足らない。
遥も、先生も、大好き。
「国道沿いにあるよ。白川は俺が連れて行く。浅野は、凛太君連れてって」
「俺が?いいけど、………」
先生は、凛太に騒がれた事をまだ言っていないようで、私と目が合うと、苦笑しながら頭を掻いていた。
「小児科は…内科と一緒になってるクリニックがあったかな。でも、今凛太君が眠れているなら、先に朝飯食うか、白川。診療時間内に行けたらいいから、少しは時間がある」
「食べます!」
遥を迎えに行くついでに、先生は焼き立てパンをどっさり買ってきてくれていた。
凛太を布団ごと和室に移動させ、様子を見ながら食事を取ることにした。
熱は下がらないが、それほど苦しそうにはしていない。
「うわあ~♡おいしそう~♡」
たくさんの種類のパンが、袋にいくつも詰まっていて、ブリオッシュ、ミルクサンド、アボカドサーモン……他たくさん。
目をキラキラさせて眺めていたら、遥が不貞腐れながら先生に言った。
「センセー、俺にもくれんのー」
「お前、何で拗ねてるんだ。いるなら食え。凛太君は…おかゆかな」
二人のやりとりに自然と顔が緩む。
気の置けない人たちとのひとときは、自分は一人ではないと心強く感じる。
「ありがとう、先生も…遥も………」
ミルクサンドを食べながら、俯いて呟く。
先生はコーヒーを淹れていて、遥はバジルチーズを食べていたが、二人の視線が私に集まった。が、遥は何もなかったようにまたパンを食べ始める。
「碧は何も気にすんな」
先生も、カップにコーヒーを注ぎながら、微笑んでいた。
「浅野はブラック飲めねーだろ」
「あ?何で知ってんだよ!」
先生と見合って含み笑いをし、遥が首を傾げる。
「ふふ…仲良いね、ふたり……。……」
この優しい人たちの温かさに、泣けてしまってどうにもならない。
でも、泣くなとは誰も言わない。
何度ありがとうを言ったってきっと足らない。
遥も、先生も、大好き。