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17歳の寄り道
第23章 【遥編】受診
ほかほかの凛太を抱いて、夏の太陽に照りつけられて熱くなった車内に乗った。
エアコン最強、窓全開にして熱風を追い出す。
碧も俺たちと一緒に後ろの座席に座り、保冷材を当てたりして凛太の世話を焼いている。
その姿を見ていると………やっぱり疲れが見えるな。
そりゃそうだな。
怖い思いして、ケガまでして。
―――でも、逃げられてよかった。
……と思っていたら、碧がじっと俺を見ている。
「え、なに?」
「遥、しっかりしてるねぇ。持病の確認とか、体温とか……」
「ああ、それは…まあ…」
問診で絶対必要であろう、当たり前の確認なんだけど。
尊敬の眼差しで見つめられるのは悪い気はしない。
むしろ、嬉しい。
運転席で、ずっと笑顔で聞き役に徹していた村上の、「行こうか」という声で、漸く出発した。
俺と凛太は“つるさきクリニック”という看板前で車を降りる。
そのクリニックは新しく、内科と小児科でそれぞれ別の先生が診療を担当していた。
「終わったら連絡してくれ。すぐに来るから」
「わからないことがあったら、電話してね」
村上は、ここから少し先の整形外科に碧を届けたら、そこのガレージで待機するらしい。
「おー、了解」と頷き、凛太と一緒にクリニックに入った。
自動ドアが開いたら、他の子供の泣き声が聞こえてきた。
うわ……混んでるな。
夏だからと言って、油断してた。
問診票に記入をして、診察を待つ。
碧の方も混んでいるようで、しばらくかかりそうとLINEが来た。
凛太はおとなしく俺の隣で座っている。
「白川凛太君ー」
しばらくして、小児科の診察室から呼ばれた。
「失礼します…」
そこには優しげな丸いメガネを掛けた、50代半ばぐらいの男性医師がいた。
突っ立っていると、「凛太君をお兄さんの膝に乗せて座ってね」と言われ、指示通りにして丸椅子に座る。
「はい、凛太君。お口開けてね。あーん」
「う……うあ…うああ~ん…」
力なく泣き、結果的に口の中を見せているが、……それにしてもよく泣くなぁ。
先生は凛太の手足を手に取って見、小さく頷き電子カルテに入力している。
これだけで何か分かるのか?
エアコン最強、窓全開にして熱風を追い出す。
碧も俺たちと一緒に後ろの座席に座り、保冷材を当てたりして凛太の世話を焼いている。
その姿を見ていると………やっぱり疲れが見えるな。
そりゃそうだな。
怖い思いして、ケガまでして。
―――でも、逃げられてよかった。
……と思っていたら、碧がじっと俺を見ている。
「え、なに?」
「遥、しっかりしてるねぇ。持病の確認とか、体温とか……」
「ああ、それは…まあ…」
問診で絶対必要であろう、当たり前の確認なんだけど。
尊敬の眼差しで見つめられるのは悪い気はしない。
むしろ、嬉しい。
運転席で、ずっと笑顔で聞き役に徹していた村上の、「行こうか」という声で、漸く出発した。
俺と凛太は“つるさきクリニック”という看板前で車を降りる。
そのクリニックは新しく、内科と小児科でそれぞれ別の先生が診療を担当していた。
「終わったら連絡してくれ。すぐに来るから」
「わからないことがあったら、電話してね」
村上は、ここから少し先の整形外科に碧を届けたら、そこのガレージで待機するらしい。
「おー、了解」と頷き、凛太と一緒にクリニックに入った。
自動ドアが開いたら、他の子供の泣き声が聞こえてきた。
うわ……混んでるな。
夏だからと言って、油断してた。
問診票に記入をして、診察を待つ。
碧の方も混んでいるようで、しばらくかかりそうとLINEが来た。
凛太はおとなしく俺の隣で座っている。
「白川凛太君ー」
しばらくして、小児科の診察室から呼ばれた。
「失礼します…」
そこには優しげな丸いメガネを掛けた、50代半ばぐらいの男性医師がいた。
突っ立っていると、「凛太君をお兄さんの膝に乗せて座ってね」と言われ、指示通りにして丸椅子に座る。
「はい、凛太君。お口開けてね。あーん」
「う……うあ…うああ~ん…」
力なく泣き、結果的に口の中を見せているが、……それにしてもよく泣くなぁ。
先生は凛太の手足を手に取って見、小さく頷き電子カルテに入力している。
これだけで何か分かるのか?