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17歳の寄り道
第24章 【遥編】3日間
「……苦しそうだったよ、大丈夫…?」
「ああ…。大丈夫。それより、寝れた?」
碧は俯きながら、首を振った。
眠れなかったのか…。
窓から差し込む光はもう、熱い夏の陽射しに変わっていて、朝が来ていた。
「コーヒーの香りしてるよね。先生起きてるのかな」
「起きてそうだな。リビング行こっか」
客間のドアを開ける碧の腕を支えようとしたら、俺の手からするりと抜けて、静かに振り向く。
「……一人で大丈夫だから」
その黒い瞳は、ごく短い間だけだったが、俺を拒絶しているように見えた。まるで、触らないでとも言いたげな…。
…何だ?
別にもう、結愛に気持ちはないし、こんなに碧の心配をしているのに。
後ろめたい事は何も―――。
リビングに入ると村上がコーヒーを飲んでいて、白川はひょこひょこと村上の隣まで歩く。
「おはようー。先生、私もブラック飲みたい」
「おはよう。ブラック…?無理しなくていいよ?」
「無理してないよー」
碧に笑顔が戻っている。
さっきの違和感は気のせいか?
村上はまた、朝からパン屋に行ったらしく、今日はトーストとサラダとヨーグルトだった。
これもまたクソうまそうで、早く食いたい。
キッチンに立っている村上の手伝いに行った時、村上が微かに溜息を吐いた。
昨夜注意を受けていたにもかかわらず、約束を全く守れなかった俺は、その溜息に思い当っていた。が、これもまたしらばっくれる。
「センセー寝れなかったの?」
「寝たよ。寝不足だもん。今日が土曜日で助かったよ。お前は寝れたのか」
「ああ。あれから二人ですぐ寝たよ」
「嘘つくなサルが」
やっぱり聞こえてたのか…。そりゃそうだよな。
「ま、俺もそのぐらいの歳はそうだったから、怒ってるわけではないよ。昨日は、大人として言う事は言っただけだ」
村上はそう言って、慣れた手つきで豆を挽き始めた。
朝食を取っている間は、碧もにこにこしていた。
やっぱり気のせいだったんだと思いながら、風呂を借りた。
「ああ…。大丈夫。それより、寝れた?」
碧は俯きながら、首を振った。
眠れなかったのか…。
窓から差し込む光はもう、熱い夏の陽射しに変わっていて、朝が来ていた。
「コーヒーの香りしてるよね。先生起きてるのかな」
「起きてそうだな。リビング行こっか」
客間のドアを開ける碧の腕を支えようとしたら、俺の手からするりと抜けて、静かに振り向く。
「……一人で大丈夫だから」
その黒い瞳は、ごく短い間だけだったが、俺を拒絶しているように見えた。まるで、触らないでとも言いたげな…。
…何だ?
別にもう、結愛に気持ちはないし、こんなに碧の心配をしているのに。
後ろめたい事は何も―――。
リビングに入ると村上がコーヒーを飲んでいて、白川はひょこひょこと村上の隣まで歩く。
「おはようー。先生、私もブラック飲みたい」
「おはよう。ブラック…?無理しなくていいよ?」
「無理してないよー」
碧に笑顔が戻っている。
さっきの違和感は気のせいか?
村上はまた、朝からパン屋に行ったらしく、今日はトーストとサラダとヨーグルトだった。
これもまたクソうまそうで、早く食いたい。
キッチンに立っている村上の手伝いに行った時、村上が微かに溜息を吐いた。
昨夜注意を受けていたにもかかわらず、約束を全く守れなかった俺は、その溜息に思い当っていた。が、これもまたしらばっくれる。
「センセー寝れなかったの?」
「寝たよ。寝不足だもん。今日が土曜日で助かったよ。お前は寝れたのか」
「ああ。あれから二人ですぐ寝たよ」
「嘘つくなサルが」
やっぱり聞こえてたのか…。そりゃそうだよな。
「ま、俺もそのぐらいの歳はそうだったから、怒ってるわけではないよ。昨日は、大人として言う事は言っただけだ」
村上はそう言って、慣れた手つきで豆を挽き始めた。
朝食を取っている間は、碧もにこにこしていた。
やっぱり気のせいだったんだと思いながら、風呂を借りた。