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17歳の寄り道
第24章 【遥編】3日間
俺は、結愛を好きだった。


自分で言うのも気が引けるが、喘息を患いながらも俺はずっとモテ街道を走っていた。
さらに言うが、小さい頃は可愛い顔をしていたし、今より素直であった事は認める。

そんな俺に普通に接する唯一の女が、父親の弟の子供の結愛だった。
結愛は友達がいない奴だったけど、俺には気を許していて、ずっと小林先輩に片思いしていた。
小林先輩は中学時代ヒーローだった。


結愛にしたら、一時の気の迷いかもしれないが、俺とつきあった時期もあった。しかしキスはしても、最後までは決して許してくれなかった。

俺の部屋や野球部の部室でキスをしたり、お互いの性器を手で弄りあう。
そういう付き合いだった。


発情期のサルだから、好きな女とそういう事ができるのは嬉しくもあった。が、少しでも恋人らしい事がしたくて、ある日手を繋いで歩いていた所をタイミング悪く結愛の母親に見つかった。


その翌日。
母親に「二人で会うのはやめて」と泣かれた。
父方の親戚から、母親の育て方が悪いと攻撃されたそうだ。

俺のせいで、母親が攻撃されるのか。
激しい怒りを覚えたが、従うしかなかった。



それからしばらく、結愛は来なくなったし、俺から話しかけるのもやめた。




その後、結愛は片思いが成就し、小林先輩とつきあい始めて―――俺も結愛も中学を卒業した。


先輩が怪我をして、推薦で進んだ高校の野球部を辞めてから………

何ヶ月かぶりに、結愛が俺んちの前で立っていた。

「結愛?」

駆け寄ると、ますますきれいになった結愛は、どこか憔悴したような顔で、俺にスマホを見せた。


「…先輩に撮られちゃった…………」


結愛が見せてきた動画は、こっちを向きながら小林先輩に抱えられて、………



………





「……遥…遥?大丈夫?」


肩を揺り動かされて、はっと我に返る。
とても心配そうに碧が俺を覗き込んでいた。


「――――……碧………」


どうやら俺は、いつの間にか眠りに落ち、うなされていたらしい。

結愛の夢を見ながら。
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