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17歳の寄り道
第25章 【遥編】ノスタルジー
「……苦しそうだったよ、大丈夫…?」

「ああ…。大丈夫。それより、寝れた?」

「……帰ったの?」

風呂から出たら、碧の姿はなかった。
一言教えてくれたら、すぐに風呂から出たのに。

「ああ。お母さんが迎えに来られたんだ。凛太君がまだ熱が下がらないし、すぐに戻って行かれたよ」

「結局クソ親父はどうなったの?」

「しばらく別居するそうだよ」

しばらくって……またヨリ戻さねぇだろな?
碧たちが引っ越しするのか?親父が出て行くのか?

俺はバスタオルを首に掛け、パンツ姿でリビングのラグに座る。

「碧に会いに行ってもいいのかな」

「白川が望めば、行けばいいだろうけど……。あいつも全く寝ていないみたいだし、昨日から朝まで十分一緒にいさせてやっただろ。落ち着くまでそっとしておいた方がいいんじゃないか。お前も、3ヶ月前を思い出したらわかるだろう」

……確かに、ガラリと環境が変わって、…心もついて行かなくて大変だったけど、俺はあの時、碧といられるなら一緒にいたかった。


「お父さんの顔見て帰るんだろう。きっと喜ぶよ、お父さん」

「もう一泊したいなー…」

テーブルに顎を乗せて言ったら、村上は苦笑していた。

「もう一度ちゃんと、お母さんに話してみたら。あと、お前もお母さんの心配を理解しないとな。表面だけじゃなくて」

何。説教か?

「まぁ、いいや。テキトーにするよ。とりあえず、碧を助けてくれてありがと」

俺は再び立ち上がり、着替えを始めた。
実家に行ってみようと思ったのだ。

村上は椅子に腰かけたまま頬杖をつき、横目で俺を見た。

「……今、白川を追い詰めるような事はしないでやってくれよ」

「しねぇよ。センセー、まだあいつの事好きなの?」


村上が碧に手を出した事は俺は忘れてはいないし、きっと碧といる限り、ずっと心のどこかに持ち続ける。

でも、好きだったからそうしたんだろ。
村上に限って、遊びで手を出すようなことはしないと思ってる。


何も返事がないのでそちらに視線を向けると、村上は虚を衝かれたような顔をして、俺を見ていて。
いつもの悠然とした村上ではなかった。
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