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17歳の寄り道
第25章 【遥編】ノスタルジー
気になっていたことを尋ねる。
夢にも出てきた、結愛のこと。
父方の親族は交流があるはずなので、きっと父さんは結愛の近況を知っていると思った。

「結愛、元気にしてんの」

「――ああ………全寮制の高校に転校したそうだよ」

「転校?何で?」

俺が驚く様子を見、父さんは顎に手をやり少し考えていた。

「…交際相手がとんでもない奴で、捕まったらしいけど…。結愛ちゃんと犯罪者と接触させないためだと言っていたかな」

「………そうなんだ」

「結愛ちゃんは、今は元気にやっているらしいよ」


小林先輩、捕まったのか…
後半は荒れまくっていたし…碧から聞く話も、酷いもので、納得せざるを得ない。

二人が引き離されたのか、別れたのか、それが結愛の意思なのか、俺にはわからないけど…。

“今は元気にやっている”のが本当であればいい。
そう思った。



その晩、一泊して帰ることにした。
自分の部屋はもう何もないから、布団だけ敷いて寝ることにした。
思い出が詰まってるはずのこの部屋は、別の部屋に見えた。


その部屋から母さんに電話をした。
やっぱり受話器の向こうで、甲高い声で俺に怒鳴る。
それが少し途切れた時。
昨日、母さんに伝えたいと思った事を口にした。


「今まで、育ててくれてありがとう。今、俺がこうしていられるのは、父さんと母さんのお陰だと思ってるから…」


それを思い出せたのは、ここに来て、丸メガネ先生…いや、鶴崎先生に会えたからだ。
碧と凛太が引き寄せてくれたような気がしてならない。


さっきまで興奮していた母さんは、静かになり……小さく鼻をすするような音が聞こえてきた。


『もう…急に何言ってるの。びっくりするじゃない』


いつも泣いていた母さんだけど、それでも、とても嬉しそうな涙声だった。
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