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17歳の寄り道
第28章 【千晴編】誰にも言えない
「ど、どうしたの?千晴」
「ううん!別に何もないんだけどっ……」

はあはあ、息を切らして下駄箱の前まで来た。
碧の手を離し、切れた息を整える。

「いちご狩りはおいしかったよ。次は碧と行く。藤田さんとは行かない。」
「え、えっ?藤田さん、何かやらかした?」

碧は紹介した責任を感じているようで、おろおろと戸惑っていた。
……やらかしてるのは私だよ。

「全然。いい人だったよ。ほんとに」
「そう……ごめんね、いろいろ気を使わせて……。そもそも、私が引き受けなければ……」

あっ、やばい。また碧のウジウジ癖が……。
足元を見ながら固まっている碧の背中を叩き、笑顔を作った。

「碧のせいじゃないってば!今度はいちご狩り、凛ちゃんも連れて行こうよ!」

すると、碧の表情がぱあっと明るくなった。

「あっ、それいいね!凛太絶対喜ぶ!春休みがいいかなぁ」
「そうだね、今寒すぎるしね。風邪ひく……っくしゅん!」

ベストなタイミングでのくしゃみに、碧も私も顔を見合わせる。

「千晴、風邪ひいた?」
「うーん……違うと思うけど……」
「あったかくしなよ、早く寝ないと」
「碧、おかあさんみたい」

そんなことを話しながら、教室まで向かった。

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