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17歳の寄り道
第29章 【千晴編】私のこと、好きですか?
翌日――。
「ぶえっくしゅん!……っはぁ……」
顔の半分はある白く大きな紙マスクをつけ、マフラーに顔を埋める。体を自分で抱きしめるようにして、寒さをしのぎながらバス停で朝のバスを待つ。
あれから風邪は悪化する一方で、朝から女の子の日も始まって、お腹痛い…。
そして、寒いーっ。バス、早く来て!冷える!
心の中で文句を垂れながら、バスは5分遅延で来た。
乗り込むと、ブーっと乗車口のブザーが鳴り、私は二人席を見回す。
今日は、藤田先生は――……
いた!
よろよろと先生の隣に座ると、さすがの仏頂面も崩れた。
「風邪か?」
「はい………」
「大丈夫か」
「たぶん………」
さっきからちょっと寒い。熱出るのかな……。
今はもう、先生がどうとか、奥さんや藤田さんがどうとか、考えている余裕はない。
ふう、と息をついたら、藤田先生の大きな手が私のおでこを触った。
わああっ、と心の中で声が出る。
「熱はないみたいだけどな……」
先生が、優しい。
「着くまで寝ます……」
「ああ。そうしろ」
「…………」
ちょっとだけ……。
先生の肩に頭を寄せてみた。
温かくて、逞しいその肩に。
先生は振り払わず、そのままにしていてくれた。
「ぶえっくしゅん!……っはぁ……」
顔の半分はある白く大きな紙マスクをつけ、マフラーに顔を埋める。体を自分で抱きしめるようにして、寒さをしのぎながらバス停で朝のバスを待つ。
あれから風邪は悪化する一方で、朝から女の子の日も始まって、お腹痛い…。
そして、寒いーっ。バス、早く来て!冷える!
心の中で文句を垂れながら、バスは5分遅延で来た。
乗り込むと、ブーっと乗車口のブザーが鳴り、私は二人席を見回す。
今日は、藤田先生は――……
いた!
よろよろと先生の隣に座ると、さすがの仏頂面も崩れた。
「風邪か?」
「はい………」
「大丈夫か」
「たぶん………」
さっきからちょっと寒い。熱出るのかな……。
今はもう、先生がどうとか、奥さんや藤田さんがどうとか、考えている余裕はない。
ふう、と息をついたら、藤田先生の大きな手が私のおでこを触った。
わああっ、と心の中で声が出る。
「熱はないみたいだけどな……」
先生が、優しい。
「着くまで寝ます……」
「ああ。そうしろ」
「…………」
ちょっとだけ……。
先生の肩に頭を寄せてみた。
温かくて、逞しいその肩に。
先生は振り払わず、そのままにしていてくれた。