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17歳の寄り道
第32章 【結愛編】遥の誕生日
4月2日。遥の誕生日。
天気がいいので、遥とふたりでバイクに乗って、また例の公園までお花見に来た。
ベンチでぽかぽかのお日様に当たり、ひなたぼっこをしながら、買って来たサンドイッチを食べる。
春だけど、この時期風は少し冷たい。
碧ちゃんに会ったことは遥にはまだ黙ってる……。
さすがに、ここまで勝手にしたら怒るんじゃないかと……。
そして、買って来たショートケーキも食べる。
ろうそくは付いていないけれど、誕生日だからハッピーバースデーも歌う。
音痴な遥は歌ってはくれないから、私だけ。
「誕生日おめでとー!遥ー!」
「……ありがと。18だな……免許取りてぇ」
桜は開花していて、見上げると淡いピンクの花が咲いていて。菜の花も向こうに咲いている。
この桜の色と、この前のお着物の色が似てるなぁーと、桜ばかり見上げていた。
「結愛、この前実家帰ったの?どうだった?おじさんとかおばさんとか」
「んーん?普通だよ?」
「……お前のその顔、何か隠してる時の顔だろ」
私は、何かを隠す時に唇がとんがるらしい。
「パパとママは、帰ったら嬉しそうにしてくれたよ。着物の写真見せたら、すごく喜んでくれたし……。遥のとこで撮ってもらったとは伝えてないけど」
「ああ。いいよ。そんなこと言ったらまた心配させんだろ」
遥はそう言って、コンビニのサンドイッチをぱくりと食べ、私も続いて食べた。
……実は、碧ちゃんに借りたハンカチを持って帰ってきてしまった。
あの子に借りをつくるのは嫌だから返したいんだけど、しばらく地元には戻らないし。
遥は住所知ってるけど、…………でもなぁ。
「何だよ。お前、挙動不審。トイレか?」
落ち着きなくそわそわ体を動かす私に、遥が眉を顰める。
天気がいいので、遥とふたりでバイクに乗って、また例の公園までお花見に来た。
ベンチでぽかぽかのお日様に当たり、ひなたぼっこをしながら、買って来たサンドイッチを食べる。
春だけど、この時期風は少し冷たい。
碧ちゃんに会ったことは遥にはまだ黙ってる……。
さすがに、ここまで勝手にしたら怒るんじゃないかと……。
そして、買って来たショートケーキも食べる。
ろうそくは付いていないけれど、誕生日だからハッピーバースデーも歌う。
音痴な遥は歌ってはくれないから、私だけ。
「誕生日おめでとー!遥ー!」
「……ありがと。18だな……免許取りてぇ」
桜は開花していて、見上げると淡いピンクの花が咲いていて。菜の花も向こうに咲いている。
この桜の色と、この前のお着物の色が似てるなぁーと、桜ばかり見上げていた。
「結愛、この前実家帰ったの?どうだった?おじさんとかおばさんとか」
「んーん?普通だよ?」
「……お前のその顔、何か隠してる時の顔だろ」
私は、何かを隠す時に唇がとんがるらしい。
「パパとママは、帰ったら嬉しそうにしてくれたよ。着物の写真見せたら、すごく喜んでくれたし……。遥のとこで撮ってもらったとは伝えてないけど」
「ああ。いいよ。そんなこと言ったらまた心配させんだろ」
遥はそう言って、コンビニのサンドイッチをぱくりと食べ、私も続いて食べた。
……実は、碧ちゃんに借りたハンカチを持って帰ってきてしまった。
あの子に借りをつくるのは嫌だから返したいんだけど、しばらく地元には戻らないし。
遥は住所知ってるけど、…………でもなぁ。
「何だよ。お前、挙動不審。トイレか?」
落ち着きなくそわそわ体を動かす私に、遥が眉を顰める。