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17歳の寄り道
第33章 【東野編】高校卒業、東野涼太
高校3年間は、あっと言う間だった。
彼女は作らず終わったが仕方ない。男は腐るほどいたが、そもそも女の子の絶対数が少なかったことと、誰かに告白されても、ずっと好きだった子には結局告白できずに卒業してしまった。

俺は、自宅に近い大学に入学した。
高校へは往復数時間掛かっていたから、自宅から通えるのはありがたい。

と、思っていたんだが。

「まさか、東野君と一緒の大学だとはな~!すげーよな!」
「……それは俺も言いたいよ。で、何でウチ入り浸ってんだよ」

俺は経済学部。
目の前のこいつ――浅野遥は、医学部。
お互い現役合格し、入学式でばったり再会したのだ。

名字は広瀬に変わっていたが、俺にとって浅野は浅野のまま。
転校後もたまにLINEは寄越してきていたが、全部変なのばかりで……。
「碧に言い寄んなよ」という牽制と、変なスタンプが送りつけられ、まるでスパムのようなLINEだった。
悲しいことに俺は白川に相手にされていないので、スルーするか、虫の居所が悪い時は「うるせえ!」と返していた。

しかし……ずっと付き合い続けてると思っていたのに、結構前に別れていたと聞いたのは、ついさっきのこと。
ちなみに、白川も母親姓である鈴木に戻っている。でも、白川も俺にとってはずっと白川で。

「多分、白川は彼氏いないよ。ずっとバイトばっかりだったし。バイト先に彼氏がいるのかもしれないけど……そんな話は聞いてないしなあ……」
「ふーん」

浅野は俺のベッドに勝手に横になり、靴下を脱いでいる。
知りたそうな顔してたから教えてやったのに、興味なさそうな顔しやがって。

「……ウゼーな~。ヨリ戻したいならさっさと連絡取れよ」

俺がそう言うと、浅野はあくびをした。

「涼ちん、腹減った」
「涼ちんって呼ぶのやめろ」

俺は仕方なく、キッチンでカップ麺をふたつ作り、部屋まで戻った。
親のことは、いろいろあったのだろう。昔はいろんな噂を聞いたこともある。

バターしょうゆ味の麺をすすりながら浅野の端正な顔立ちを見ていた。
すると、俺の視線に気付いたのか浅野はじっと見てきた。
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