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17歳の寄り道
第1章 【碧編】17歳、白川碧
急いで着替えて、男子たちに着替えが完了したことを伝える。
結んでいた髪をするりと解き、ゴムを唇に咥えて、髪を結び直す。
しゅるしゅると結びながら、誰かの視線を感じて顔を上げたら、廊下に3年生がいた。
……え、私を見てる?
目が合ったので手を止めたら、その人はふいっと向こうへ行ってしまった。
「……千晴、今の人知ってる?」
「えー?見てなかった」
まあ、いいか。
用事があるならまたアクションがあるだろう。
気を取り直して千晴と食堂に向かった。
その日の放課後、またサッカー部を眺めていた。
東野君ばかり目で追ってしまう。
彼女になりたいだとか思ったりはしないが、東野君はやっぱり特別だ。
窓枠に頬杖をついて、心行くまで眺めていた。
すると、背後から頭をポンと叩かれた。
頭を押さえて振り向いたら、同じクラスの浅野君だった。
薄茶色の髪をしていて、背が高く、冷めた目をしている。
浅野君は、トラブルメーカーとまで言わないが、サボったり、良くない意味で目立つ生徒だ。特進の中でも成績は悪くはないが、休みがちだったりするので、先生によく呼び出されている。
他科の目立つ先輩とつるんでいたりして、関わるとロクな事がなさそうな、そんな人だった。
「こんなとこで何してんのー」
浅野君は気怠げに私の視線の先を追い、ふんと鼻で笑った。
「白川は東野狙いかぁ。俺あいつ嫌いだわー」
不躾な言い方をする浅野君を、キッと睨む。
さすがに気分を害したことに気付いたらしい。
「ごめんごめん。でもあいつ、彼女いるだろ」
「……そうだね。でも、見てるだけだもん。見てる事しかできないもん…」
つい、弱音を漏らしてしまったら、浅野君が少し驚いた顔を見せた。
バカにされる!と身構えたら、浅野君は真面目な顔で私を見つめ返す。
「もったいねーな。白川とつきあいたい奴なんていっぱいいるのに」
「へ」
「知らねーの?」
慰めてくれてるの…?
すると、浅野君は神妙な顔で顎に手を当てて、私の耳元に少し近づいた。
「碧ちゃん、みんなのオナペットだよ」
結んでいた髪をするりと解き、ゴムを唇に咥えて、髪を結び直す。
しゅるしゅると結びながら、誰かの視線を感じて顔を上げたら、廊下に3年生がいた。
……え、私を見てる?
目が合ったので手を止めたら、その人はふいっと向こうへ行ってしまった。
「……千晴、今の人知ってる?」
「えー?見てなかった」
まあ、いいか。
用事があるならまたアクションがあるだろう。
気を取り直して千晴と食堂に向かった。
その日の放課後、またサッカー部を眺めていた。
東野君ばかり目で追ってしまう。
彼女になりたいだとか思ったりはしないが、東野君はやっぱり特別だ。
窓枠に頬杖をついて、心行くまで眺めていた。
すると、背後から頭をポンと叩かれた。
頭を押さえて振り向いたら、同じクラスの浅野君だった。
薄茶色の髪をしていて、背が高く、冷めた目をしている。
浅野君は、トラブルメーカーとまで言わないが、サボったり、良くない意味で目立つ生徒だ。特進の中でも成績は悪くはないが、休みがちだったりするので、先生によく呼び出されている。
他科の目立つ先輩とつるんでいたりして、関わるとロクな事がなさそうな、そんな人だった。
「こんなとこで何してんのー」
浅野君は気怠げに私の視線の先を追い、ふんと鼻で笑った。
「白川は東野狙いかぁ。俺あいつ嫌いだわー」
不躾な言い方をする浅野君を、キッと睨む。
さすがに気分を害したことに気付いたらしい。
「ごめんごめん。でもあいつ、彼女いるだろ」
「……そうだね。でも、見てるだけだもん。見てる事しかできないもん…」
つい、弱音を漏らしてしまったら、浅野君が少し驚いた顔を見せた。
バカにされる!と身構えたら、浅野君は真面目な顔で私を見つめ返す。
「もったいねーな。白川とつきあいたい奴なんていっぱいいるのに」
「へ」
「知らねーの?」
慰めてくれてるの…?
すると、浅野君は神妙な顔で顎に手を当てて、私の耳元に少し近づいた。
「碧ちゃん、みんなのオナペットだよ」