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17歳の寄り道
第1章 【碧編】17歳、白川碧
オナ…
「最低」
「へへっ。おれが言ってんじゃねーよ。聞いてみろよ、東野にも。あいつ絶対オカズにしてっから」
「そんなこと聞けるわけないでしょ!」
全然慰めてくれてなんていなかった。
我ながら、おめでたい買いかぶりに吹き出しそうになりながらも浅野君に怒っていたら、後ろから「こんな所にいたのか」と声がした。
村上先生が気だるそうに近づいてくる。
「浅野。藤田先生が体育教官室で待ってるぞ。絞られて来い」
「村上先生、うまく言っといてよ」
「面倒くせー、俺は早く帰りたいんだよ。知るか」
「チッ」
浅野君は憎たらしく舌打ちをして、体育教官室のある方向へ歩いて行った。
村上先生が重い溜息を吐いた。
思わず「先生、大変だね……」と言ってしまった。
しかし先生は、「まあ、可愛いとこもあるんだけどな…」と言ったのが、ちょっと意外だった。
「可愛いとこあるんですか?浅野君」
「素直な所もあるよ。あいつをちゃんと理解しようとすれば」
そうなんだ。
浅野君を素直だと評したのも驚いたが、やる気がないと思っていた村上先生の意外な面を見た。
ちゃんと先生してるんだ。
もっとも、浅野君からはオナペット呼ばわりされたし、そんな彼にいい印象は抱くのは難しいけど、、、
「で、お前は何してる?さっさと帰りなさい」
「帰りたいんだけど……帰りたくないの」
私には、フリーランスの仕事をしている義父と、企業で働く実母、歳の離れた弟がいる。
私の実父は、とても小さな頃に出て行ったらしく、父はいないものとして育ってきた。
そんな母が再婚したのは、私が小学6年生の時。
実母は、どちらかと言えば私には口うるさいのに、優しい義父といる時はとても穏やかで幸せそうだった。
歳の離れた弟は、義父と実母の子だ。
仲のいい家族だと思う。表向きは…
「最低」
「へへっ。おれが言ってんじゃねーよ。聞いてみろよ、東野にも。あいつ絶対オカズにしてっから」
「そんなこと聞けるわけないでしょ!」
全然慰めてくれてなんていなかった。
我ながら、おめでたい買いかぶりに吹き出しそうになりながらも浅野君に怒っていたら、後ろから「こんな所にいたのか」と声がした。
村上先生が気だるそうに近づいてくる。
「浅野。藤田先生が体育教官室で待ってるぞ。絞られて来い」
「村上先生、うまく言っといてよ」
「面倒くせー、俺は早く帰りたいんだよ。知るか」
「チッ」
浅野君は憎たらしく舌打ちをして、体育教官室のある方向へ歩いて行った。
村上先生が重い溜息を吐いた。
思わず「先生、大変だね……」と言ってしまった。
しかし先生は、「まあ、可愛いとこもあるんだけどな…」と言ったのが、ちょっと意外だった。
「可愛いとこあるんですか?浅野君」
「素直な所もあるよ。あいつをちゃんと理解しようとすれば」
そうなんだ。
浅野君を素直だと評したのも驚いたが、やる気がないと思っていた村上先生の意外な面を見た。
ちゃんと先生してるんだ。
もっとも、浅野君からはオナペット呼ばわりされたし、そんな彼にいい印象は抱くのは難しいけど、、、
「で、お前は何してる?さっさと帰りなさい」
「帰りたいんだけど……帰りたくないの」
私には、フリーランスの仕事をしている義父と、企業で働く実母、歳の離れた弟がいる。
私の実父は、とても小さな頃に出て行ったらしく、父はいないものとして育ってきた。
そんな母が再婚したのは、私が小学6年生の時。
実母は、どちらかと言えば私には口うるさいのに、優しい義父といる時はとても穏やかで幸せそうだった。
歳の離れた弟は、義父と実母の子だ。
仲のいい家族だと思う。表向きは…