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17歳の寄り道
第40章 【村上編】心月
研究をして、論文書いて、少しばかり昇進もして。
忙しいけれど今はやりたいことをやれていて、充実感もある。
裸足にサンダルを引っかけてベランダに出た。
胸ポケットから煙草を出し、火をつける前に夜空を見上げる日課はずっと続いている。
教職なんて俺には向いていないと思っていたのに、教壇から見えていた風景を思い出すと、胸の奥が熱い。
「いつも、あいつらには触発されるな……」
ふっと笑いながら、咥えた煙草に火をつけて、燻らせる。
眩しい彼らの笑顔に当てられて、まだ、何かやれるんじゃないかと奮い立つ自分がいる。
現状で満足していたはずなのに、また、誰かの心に何かを残せたら、と欲が出る。
美しい明月を見ながら、たなびく雲のような煙をふかす。
夢に終わりはないのかもしれない。
もし終わるとしても、その終わりを決められるのはきっと自分だけだ。
曇りのない澄み渡る心で夜月を眺めながら、新しい目標が出来たことを、密やかに喜んだ。
走れるうちは走り続けたい。
俺も、負けてはいられない。
忙しいけれど今はやりたいことをやれていて、充実感もある。
裸足にサンダルを引っかけてベランダに出た。
胸ポケットから煙草を出し、火をつける前に夜空を見上げる日課はずっと続いている。
教職なんて俺には向いていないと思っていたのに、教壇から見えていた風景を思い出すと、胸の奥が熱い。
「いつも、あいつらには触発されるな……」
ふっと笑いながら、咥えた煙草に火をつけて、燻らせる。
眩しい彼らの笑顔に当てられて、まだ、何かやれるんじゃないかと奮い立つ自分がいる。
現状で満足していたはずなのに、また、誰かの心に何かを残せたら、と欲が出る。
美しい明月を見ながら、たなびく雲のような煙をふかす。
夢に終わりはないのかもしれない。
もし終わるとしても、その終わりを決められるのはきっと自分だけだ。
曇りのない澄み渡る心で夜月を眺めながら、新しい目標が出来たことを、密やかに喜んだ。
走れるうちは走り続けたい。
俺も、負けてはいられない。