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17歳の寄り道
第42章 【東野編】グロウアップ
百貨店まで向かう電車の中て、俺はスマホをいじりながら少し広めの賃貸マンションを探した。
結愛の仕事に対する熱意には頭が下がる。
俺も負けてられないし、支えにもなれたらいい。
その日から、あっという間に時間が過ぎ――もうすぐ3回目の秋が来る。
あの時手掛けたサロンイベントは成功した。
地方の拠点店舗でも次々開催していこうという話になり、結愛がチーフとして勤めていた百貨店でも行うことになった。
「久しぶりだなぁ、実家に帰るの」
新幹線で隣に座りながら、結愛がゴキゲンで弁当を食っている。
「ああ……緊張するな……」
「大丈夫だよ、涼ちん、ちゃんとして見えるから」
「ちゃんとしてることだけが取り柄だよ……」
「十分十分!」
からからと笑う結愛。
最初は激しいツンデレだったが、俺の前ではようやく自然な彼女を見せてくれるようになった。
イベントは二日間あり、最終日は結愛の家に挨拶に行く予定だ。
「それにしても、遥のいとこだとはな……」
「ね~。まさか涼ちんが本物の涼ちんだとはね」
結愛と遥がいとこだと発覚したのは、一緒に住み始めて少し経ったころ、本当にどうでもいい話の流れで、俺が翠学園出身だと話した時だった。
それから、結愛はずっと『涼ちん』と呼ぶようになってしまった――。
「藤田様にもご招待お送りしたんだけど、来て下さるかなぁ…」
「来てくれるといいな。2歳児を預けられたら来られるんじゃない?」
惺ももう2歳になる。
「そうだねぇ……そういう年代の方にリフレッシュしていただきたいのになぁ。キッズスペース設けても難しいかなぁ……」
結愛の仕事への姿勢は、相変わらず俺にとっては尊敬しきりで、今年からは教育課の主任になった。
俺は今も一営業だが、めまぐるしい日々は変わらない。
駅に降り立ち、二人で結愛の古巣の売場に向かう。
カウンターにはマネージャーがいて、俺たちの姿を見ると、満面の笑みを見せた。
「浅野!お帰り!……って、泣くんじゃないよ!」
結愛が尊敬してやまないマネージャー。
たくさんのことを教えてもらったと言っていた。
久しぶりの再会に涙する結愛に、マネージャーは微笑みながら肩を叩く。
さあ。今日も働こう。
すべての女性のために。
結愛の仕事に対する熱意には頭が下がる。
俺も負けてられないし、支えにもなれたらいい。
その日から、あっという間に時間が過ぎ――もうすぐ3回目の秋が来る。
あの時手掛けたサロンイベントは成功した。
地方の拠点店舗でも次々開催していこうという話になり、結愛がチーフとして勤めていた百貨店でも行うことになった。
「久しぶりだなぁ、実家に帰るの」
新幹線で隣に座りながら、結愛がゴキゲンで弁当を食っている。
「ああ……緊張するな……」
「大丈夫だよ、涼ちん、ちゃんとして見えるから」
「ちゃんとしてることだけが取り柄だよ……」
「十分十分!」
からからと笑う結愛。
最初は激しいツンデレだったが、俺の前ではようやく自然な彼女を見せてくれるようになった。
イベントは二日間あり、最終日は結愛の家に挨拶に行く予定だ。
「それにしても、遥のいとこだとはな……」
「ね~。まさか涼ちんが本物の涼ちんだとはね」
結愛と遥がいとこだと発覚したのは、一緒に住み始めて少し経ったころ、本当にどうでもいい話の流れで、俺が翠学園出身だと話した時だった。
それから、結愛はずっと『涼ちん』と呼ぶようになってしまった――。
「藤田様にもご招待お送りしたんだけど、来て下さるかなぁ…」
「来てくれるといいな。2歳児を預けられたら来られるんじゃない?」
惺ももう2歳になる。
「そうだねぇ……そういう年代の方にリフレッシュしていただきたいのになぁ。キッズスペース設けても難しいかなぁ……」
結愛の仕事への姿勢は、相変わらず俺にとっては尊敬しきりで、今年からは教育課の主任になった。
俺は今も一営業だが、めまぐるしい日々は変わらない。
駅に降り立ち、二人で結愛の古巣の売場に向かう。
カウンターにはマネージャーがいて、俺たちの姿を見ると、満面の笑みを見せた。
「浅野!お帰り!……って、泣くんじゃないよ!」
結愛が尊敬してやまないマネージャー。
たくさんのことを教えてもらったと言っていた。
久しぶりの再会に涙する結愛に、マネージャーは微笑みながら肩を叩く。
さあ。今日も働こう。
すべての女性のために。