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17歳の寄り道
第3章 【碧編】少女の殻を脱いで
「誰か、いる…」

浅野君にしがみつくと、浅野君は動きを止め、息を潜めて窓の方を見る。
授業中だから、生徒が廊下を歩くことはまずない。

「いるな…先生かな。村上に見つかったらやべーな」

私は腰を浮かせて、今の騒動で硬さが和らいだ浅野君のものをぬぽっと抜き、パンティーとジャージを上げた。

「びっちょびちょなんだけど」と文句を言いながら、浅野君もジャージを上げる。

そして、廊下をそっと覗くと、そこには誰もいなくて、二人で廊下に出る。
教室の前は階段があったので、他のクラスの前を通らずに済む。
私たちは、念のため姿勢を低くして階段の踊り場へ出た。

「これからどーすっかなー、俺もう体育出る気ねぇけど」
「私もないよ…ひとりで怒られたくないよ」
「ふははっ。だよな~。藤田、女にも容赦ねぇもんな」

さっきまであんなにエロいことをしていたのに、気さくに話す浅野君に、ふふっと笑った。

すると、私の指をぎゅ、と握ってくる。
が、浅野君はまるで何もないようなそぶりを見せる。


「天文部の部室開いてねぇかな…」
「そこで時間終わるまで過ごす?」
「そーだな。そうしよ」

浅野君が走り出したので、私も走る。
部室は当然と言えば当然なのだが開いていなくて、撃沈した。

「体育館の裏行こっか。草むらになってるとこ。今はないみたいだけど、昔は生徒の隠れ喫煙所だったらしい」
「わ~、時代だね~。不良の元たまり場?」

運動場で体育をしている人たちに見つからないように走り、体育館裏まで来た。田舎の高校なので、広い敷地だ。
何段か下るような段差があり、そこに下りてしまうと周りから全く見えない、死角になる場所を見つけた。

「秘密基地みたいだね」
「そーだな、ガキん時ならもっとはしゃいでたかなー」

と、現不良の浅野君はいひひと笑って、段差に腰掛けた。


「碧、来て」

ずっと前から碧と呼んでいたかのように、自然に呼ぶなぁと感じた。
浅野君の前に立ったら、私の胸に顔を埋めて、ぎゅうと抱きしめてきた。
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