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17歳の寄り道
第4章 【碧編】彷徨うココロ
浅野君は足早に私の先を歩いていってしまう。
校門を出た後は追いつけずに見失い、公園まで行ったら、黒い自転車が消えていて、私の自転車だけがぽつんと置かれていた。
置いてきぼり…
外はまだ明るい。
ひとりでも帰れる明るさで、変な人はいなさそうだったが、フラッシュバックにドクン、ドクンと冷や汗を掻きながら、自転車を茂みから引きずり出す。
公園の柵を出て歩道まで来たら、ふうっと頭が白くなり、柵に腰を下ろして少し休むことにした。
はぁ…ちょっと休んで、どこかで時間を潰さなきゃ。
浅野君は帰っちゃったのかな…
連絡取れるように、LINEを聞こうと思っていたのに、聞けていないまま…怒らせちゃったかな…
「白川?何してんの?」
ハンカチで汗を拭いていたら、目の前に、ユニフォーム姿の東野君がいた。
「あっ、自転車で学校来てたんだ」
「そうなの、歩くと遠いから…。秘密にしてね」
普段通りに笑顔で振舞ったが、東野君はとても心配そうに私の瞳を覗き込む。
「顔色悪いよ?帰れる?」
「うん、大丈夫…」
私の冷や汗を見て、「大丈夫じゃないでしょ。誰か先生呼んでくるよ」と、走って行ってしまった。
ふっと意識が遠のき、ぐったりと座り込む。
少ししてから、何人かの足音が聞こえてきたが、目を開けられなくて、誰かに抱きあげられたのが最後の記憶だった。
目を開けたら………
白いシーツと、自分の手が見えた。
「気がついたか」
ベッドの脇に座っていたのは村上先生。
それで、ここが保健室だということがわかった。
「あれ…私」
「自転車通学は俺の胸にだけしまっておくから。明日からは歩いてきなさい。それより、具合はどうだ」
村上先生は白衣のボタンを外しながら、気難しい顔をしている。
校門を出た後は追いつけずに見失い、公園まで行ったら、黒い自転車が消えていて、私の自転車だけがぽつんと置かれていた。
置いてきぼり…
外はまだ明るい。
ひとりでも帰れる明るさで、変な人はいなさそうだったが、フラッシュバックにドクン、ドクンと冷や汗を掻きながら、自転車を茂みから引きずり出す。
公園の柵を出て歩道まで来たら、ふうっと頭が白くなり、柵に腰を下ろして少し休むことにした。
はぁ…ちょっと休んで、どこかで時間を潰さなきゃ。
浅野君は帰っちゃったのかな…
連絡取れるように、LINEを聞こうと思っていたのに、聞けていないまま…怒らせちゃったかな…
「白川?何してんの?」
ハンカチで汗を拭いていたら、目の前に、ユニフォーム姿の東野君がいた。
「あっ、自転車で学校来てたんだ」
「そうなの、歩くと遠いから…。秘密にしてね」
普段通りに笑顔で振舞ったが、東野君はとても心配そうに私の瞳を覗き込む。
「顔色悪いよ?帰れる?」
「うん、大丈夫…」
私の冷や汗を見て、「大丈夫じゃないでしょ。誰か先生呼んでくるよ」と、走って行ってしまった。
ふっと意識が遠のき、ぐったりと座り込む。
少ししてから、何人かの足音が聞こえてきたが、目を開けられなくて、誰かに抱きあげられたのが最後の記憶だった。
目を開けたら………
白いシーツと、自分の手が見えた。
「気がついたか」
ベッドの脇に座っていたのは村上先生。
それで、ここが保健室だということがわかった。
「あれ…私」
「自転車通学は俺の胸にだけしまっておくから。明日からは歩いてきなさい。それより、具合はどうだ」
村上先生は白衣のボタンを外しながら、気難しい顔をしている。