この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
17歳の寄り道
第5章 【碧編】ファザー・コンプレックス
「先生…昨日はありがとう…」

一番伝えたかった礼を述べた。村上先生は、頬杖をついていたが、目線をこちらにやると、口元を上げた。

「あれでよかったのかなと、帰り道考え込んだけどね」
「?」
「俺の対応は、合ってたのかなって」

それは…どういう意味?
まっすぐに先生を見つめ、次の台詞を待っていると、先生は頬杖をつくのをやめた。

先生が言わんとしていることは、少しわかる。
もっと、緊急性のあることで救いを求めていたとしたら、と心配していたのだろう。

たとえば、義父から、何かされたり…
考えるのも気持ち悪くて、思考を止めた。



「…合ってたと思うよ。寂しくなって電話しただけだから…」

そして、私は村上先生に義父への不満をこぼす。
それは母への不満の表れでもある。

村上先生は静かに頷きながら、たまに少し質問をしたり、義父の発言に眉を顰めたり、私の心の溜飲を下げてくれた。


「私ばっかり話してるね。きいてくれてありがとう、先生」

きっと、父に甘える気持ちもあった。先生を父に重ねて。


でも、先生と私は家族ではない。本物の父だとは思っていない。
現に私はそこにある先生の手を握りたいと思っている。不純な想いで。

先生は、私の思惑に気付かないふりをしているのか、本当に気付いていないのか…唐突に話を切り出した。



「じゃあ、ひとつだけ俺も話そうかな」


先生の話?

興味津津で耳を傾けた。
秘密だよと念を押され、勢いよく何度も頷いた。



「俺、研究機関で働いてたんだけどね」


先生は、長い指を組み、秘密を話し始める。

勤めていた研究機関。上の人がこの高校関係の人物らしく、化学で欠員が出たので行ってくれないかと頼まれて、常勤講師として採用されたのが数年前。

何年かで研究室に戻ると思っていたのに、担任まで持たされて今に至っていたが、夏に戻れるかもしれない。

そういう内容だった。
/452ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ