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17歳の寄り道
第5章 【碧編】ファザー・コンプレックス
やっぱり、遥は頭のネジが一個飛んでる。一個では足らないかもしれない。変だよ!
あんなやつ、あんなやつ。
自分の悪い所は棚上げして、心の中で遥を責める。

全然授業の内容は耳に入らなくて、失恋とは少し違う、消えてなくなりたい恥ずかしさが襲い来る。

あんな人と関わっちゃだめだったんだよ、もう、私のバカ!!
ビッチ!

深く落ち込みながらも、悩み続けるのも馬鹿馬鹿しい。
気付けば放課後になっていた。

職員室に行こうとしていると、ちょうど部活に行こうとしていた東野君とすれ違う。

「あっ、行ってらっしゃい」
「うん。今日はサッカー部見ないの?」

いつも、勝手に見つめていたが、東野君のほうから催促されるのは珍しい。

「村上先生と話が終わったら見るね」
「そっか。村上の呼び出し?」
「うん、そんな感じ。部活がんばってね!」

爽やかな清涼飲料水のCMに出てきそうな爽快さで、手を振って歩いて行くイケメンキーパー…




あの日、公園で襲われなければ、心が彷徨うこともなかったかもしれないのに。

あの日、東野君に向かっていたはずの心はふわりと飛び立ち、遥が一度キャッチしたけど、今はどこにあるのだろう。


職員室に入って行くと、立ち上がった村上先生と視線が合った。

「あ。放送かけようと思ってたら、来ましたね」
村上先生はメガネを上げながら、全く笑顔のない表情で私を見下ろす。

「放送かけられたら、悪いコトして呼び出されたって思われそう…」

「悪いことって何?」
と、先生はからかいを含んだ笑顔を見せる。

村上先生の微笑みは、ことのほか色香がある…と、私は思うのだけど。
また…間違ってるのかな。私は。

実父がもし、遥に似ているとしたら、母も見る目がないのは明らかで。
そんな所似たくないなぁと思うけど、見る目がないどころか、他の人にも惹かれるなんて、母以上にタチが悪い。
先生を知りたい、近づきたい衝動は押さえられない。


「教室使いましょうか」

という先生について行き、2年A組の教室のドアを開けたら、さっきまでざわざわと賑やかだったのに、もう誰もいなくて。

古めかしい、年季の入った机と椅子。
今後、買い替えていったり、もう少しすれば校舎の建て替えも予定されているらしい。
但し、私が卒業した後の事。

静かに椅子を引いて座ったら、村上先生は斜め前の椅子に腰掛けた。
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