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17歳の寄り道
第6章 【碧編】タブー
目が腫れるほど泣いたら、すっきりして気分爽快になった。村上先生のお陰だ。
教室を出る時に「あーあ、仕事山積みだけど帰ろう」と先生が言い、引きとめてしまってごめんなさいと謝った。
「謝らなくていい。送るから、駐車場行っといて」
村上先生は一度職員室に戻り、駐車場で落ち合うことになった。
帰り道は、先生はいつもより饒舌だった。
男子校時代から、生徒をよく車に乗せていたらしい。
「最初は女子生徒がいるのが慣れなかったけど、17歳はまだ子供だし、素直だなと思うよ」
そう話してくれながら、車は進む。
10分だけドライブしたいと言ったら、前来た河川敷の方へ回ってくれた。
「村上先生の…さっきの『好き』は、先生としての好き?」
はっきりと尋ねたら、村上先生は苦笑いする。
「それ以外ないでしょう」
「ふうん…じゃあ、それでもいいから、好きって言って」
恋愛の好きでもセンセイの好きでも、私はどっちでもいい。
その甘い声で、心を満たしてもらえれば…
「『言って』って言われて言うのって…」
と笑い飛ばされたしまったが。
河川敷に着く。
草が生い茂っていて、車の中は、外から故意に近づかれなければ何も見えない。
先生の『好き』が聞きたい。
「……そういうこと、浅野は言わないのか」
「言わないよ。つきあってないもん」
「は?つきあってない男とあんなことするの?」
「私は好きだったもん…」
「えー…今の若い奴らはわかんねえ」
丁寧な言葉遣いが崩れ、プライベートの村上先生が覗く。
もっと見たい。知りたい。先生の全部を。
『俺みたいな人間』と卑下する、先生の本当の顔を――。
私は、膝に置かれている先生の手を握った。
ピク…と手は動いたが、そのままにしてくれる。
「ねえ…言って、先生」
センセイの立場で私を好きなはずの先生は、私の肩を強引に抱き寄せる。
そして、いつも見惚れるそのきれいな長い指を、私の太ももに乗せた。
太ももに触れられ、体がゾクンと反応した。内側まですーっと辿り終えると、村上先生は指を離す。
近づいていた体も離されてしまいそうだったので、先生のスーツのジャケットを捕まえたら、「離して…」と苦笑いされた。
教室を出る時に「あーあ、仕事山積みだけど帰ろう」と先生が言い、引きとめてしまってごめんなさいと謝った。
「謝らなくていい。送るから、駐車場行っといて」
村上先生は一度職員室に戻り、駐車場で落ち合うことになった。
帰り道は、先生はいつもより饒舌だった。
男子校時代から、生徒をよく車に乗せていたらしい。
「最初は女子生徒がいるのが慣れなかったけど、17歳はまだ子供だし、素直だなと思うよ」
そう話してくれながら、車は進む。
10分だけドライブしたいと言ったら、前来た河川敷の方へ回ってくれた。
「村上先生の…さっきの『好き』は、先生としての好き?」
はっきりと尋ねたら、村上先生は苦笑いする。
「それ以外ないでしょう」
「ふうん…じゃあ、それでもいいから、好きって言って」
恋愛の好きでもセンセイの好きでも、私はどっちでもいい。
その甘い声で、心を満たしてもらえれば…
「『言って』って言われて言うのって…」
と笑い飛ばされたしまったが。
河川敷に着く。
草が生い茂っていて、車の中は、外から故意に近づかれなければ何も見えない。
先生の『好き』が聞きたい。
「……そういうこと、浅野は言わないのか」
「言わないよ。つきあってないもん」
「は?つきあってない男とあんなことするの?」
「私は好きだったもん…」
「えー…今の若い奴らはわかんねえ」
丁寧な言葉遣いが崩れ、プライベートの村上先生が覗く。
もっと見たい。知りたい。先生の全部を。
『俺みたいな人間』と卑下する、先生の本当の顔を――。
私は、膝に置かれている先生の手を握った。
ピク…と手は動いたが、そのままにしてくれる。
「ねえ…言って、先生」
センセイの立場で私を好きなはずの先生は、私の肩を強引に抱き寄せる。
そして、いつも見惚れるそのきれいな長い指を、私の太ももに乗せた。
太ももに触れられ、体がゾクンと反応した。内側まですーっと辿り終えると、村上先生は指を離す。
近づいていた体も離されてしまいそうだったので、先生のスーツのジャケットを捕まえたら、「離して…」と苦笑いされた。