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第1章 模索

「ビジネスホテルとかだけじゃなくて、ラブホテルも経営してるから、その関連で新しい試みを……ってことみたい。お店は地下にあって、外観というか、見た感じオシャレなバーという感じらしいよ。社会見学みたいなおもしろさもあるしさ、俺らにとっても新しい刺激になるしアルバイト代ももらえるし、良いことづくめだと思わない？」

　友達は多いが趣味と言えるもののないはじめが、キラキラとした目をして新しいことにチャレンジしてみようとわたしを誘っている──そう思うと、強く断れなくなってしまった。
　セックスレスに対して後ろめたい気持ちもあったから、余計に。

「……わかった。でも、少しでもイヤな気持ちになったらすぐに辞めるからね」

　そう言ったわたしに、彼はボールを持ってきた可愛い子犬のような顔をして大きくうなずいた。ありがとう、と言って。


　──そうして、わたしたちははじめの先輩とその友達と会い、一通りの説明を受けてアルバイトを始めることになった。