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同棲中の彼とのセックスレスを解消したい!
第1章 模索
彼の先輩とは面識があったが、もちろんその友達とは初対面。
どんなひとかとドキドキしていたが、きちんとスーツを着た真面目そうなひとだった。
顎ががっしりとしていて、そしてお風呂上がりのようなつややかな血色の良い顔をしていた。
筆でぐいと書いたような眉に、おもしろいほど長いまつ毛。
笑うと目元にたくさんのシワが寄り、わたしはその笑顔を好ましいと感じた。
彼がもしも神経質そうな男だったなら、わたしはその場でやはり自分には無理だと言って断っていたかもしれない。それほどに、彼の印象はとても良いものだった。
「ねぇ、れみ。れみってば」
「──えっ、なに?」
はじめにつつかれ、我にかえる。
目の前のミラーの向こうでは、相変わらず若いふたりがセックスをしている真っ最中だった。
見られることで燃えるカップルや夫婦たち(以外の関係のひとたちもいるだろうけど)が、この世には意外とたくさんいるのだということをわたしはこのアルバイトを始めてから知った。
彼らと直接顔を合わせることはないが、彼らが望めばミラーの横にある手のひらサイズの小窓を開けて会話をすることができる。
観客の存在を確かめたいひとたち、感想を求めるひとたち、感謝の言葉を延々と繰り返すひとたち、中には自分たちの境遇を話すひとたちもいた。
ほんとうに、世の中にはいろいろなひとがいる……。
どんなひとかとドキドキしていたが、きちんとスーツを着た真面目そうなひとだった。
顎ががっしりとしていて、そしてお風呂上がりのようなつややかな血色の良い顔をしていた。
筆でぐいと書いたような眉に、おもしろいほど長いまつ毛。
笑うと目元にたくさんのシワが寄り、わたしはその笑顔を好ましいと感じた。
彼がもしも神経質そうな男だったなら、わたしはその場でやはり自分には無理だと言って断っていたかもしれない。それほどに、彼の印象はとても良いものだった。
「ねぇ、れみ。れみってば」
「──えっ、なに?」
はじめにつつかれ、我にかえる。
目の前のミラーの向こうでは、相変わらず若いふたりがセックスをしている真っ最中だった。
見られることで燃えるカップルや夫婦たち(以外の関係のひとたちもいるだろうけど)が、この世には意外とたくさんいるのだということをわたしはこのアルバイトを始めてから知った。
彼らと直接顔を合わせることはないが、彼らが望めばミラーの横にある手のひらサイズの小窓を開けて会話をすることができる。
観客の存在を確かめたいひとたち、感想を求めるひとたち、感謝の言葉を延々と繰り返すひとたち、中には自分たちの境遇を話すひとたちもいた。
ほんとうに、世の中にはいろいろなひとがいる……。