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同棲中の彼とのセックスレスを解消したい!
第4章 秋雨
あの日のこと──下半身と下半身で繋がり合うことができなかったこと──はなかったかのように、はじめは今まで通りの笑顔でわたしに接してくれる。
絶対にあのときのことはくちにしないと決めているかのように思われた。
チョーカーについてすら、彼はあれ以来まったく触れなかった。それは他のネックレスと同じように、ふたりの寝室に置いてあるアクセサリーボックスに丁寧にしまわれている。
いつもと同じように仕事へ行き、帰ってきて同じものを食べる。
わたしたちの血肉、細胞は同じものを食べてできている。そう思うことで、少し慰められるような気がした。
身体と身体でぴたりと繋がることはまだできないけれど、わたしたちはどこかで繋がっている。
キスを交わしたり、この間のように優しく髪を撫でてくれたり……彼の気持ちはまだわたしから離れてはいないと思えた。だからこそ、彼と肌を合わせられないことがつらかった。
どうしてこうなってしまったのかしら……。幾度となく自分に問いかけてみた。
「バイト、辞めてもいいからね」
夕食のときに、ぽつりとはじめが言ったことがあった。それをわたしは大丈夫だと言って笑い、それ以上その話をしないように話題を変えた。
いつも通りの生活をするならば、アルバイトにだって変わらずに通いたかった。
もしかしたらまた、ふたりの気持ちが盛り上がるキッカケになるかもしれないから。
絶対にあのときのことはくちにしないと決めているかのように思われた。
チョーカーについてすら、彼はあれ以来まったく触れなかった。それは他のネックレスと同じように、ふたりの寝室に置いてあるアクセサリーボックスに丁寧にしまわれている。
いつもと同じように仕事へ行き、帰ってきて同じものを食べる。
わたしたちの血肉、細胞は同じものを食べてできている。そう思うことで、少し慰められるような気がした。
身体と身体でぴたりと繋がることはまだできないけれど、わたしたちはどこかで繋がっている。
キスを交わしたり、この間のように優しく髪を撫でてくれたり……彼の気持ちはまだわたしから離れてはいないと思えた。だからこそ、彼と肌を合わせられないことがつらかった。
どうしてこうなってしまったのかしら……。幾度となく自分に問いかけてみた。
「バイト、辞めてもいいからね」
夕食のときに、ぽつりとはじめが言ったことがあった。それをわたしは大丈夫だと言って笑い、それ以上その話をしないように話題を変えた。
いつも通りの生活をするならば、アルバイトにだって変わらずに通いたかった。
もしかしたらまた、ふたりの気持ちが盛り上がるキッカケになるかもしれないから。