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同棲中の彼とのセックスレスを解消したい!
第4章 秋雨
それはわたしを幸福な気持ちにし、また安心感も与えてくれた。他人の目から見たわたしたち。『お似合いだ』という言葉はそのままわたしの自信になった。
マグカップを置き、ちはるに返事をする。
早く会いたい、と思った。
会って、話がしたい。昔みたいに、わたしを安心感で包んで強く勇気付けてほしい。
彼女の屈託のない笑顔が浮かんだ。
大丈夫よ、って、肩を叩いて励ましてもらいたい──。
「ただいまー」
はじめが帰ってくると同時に、外のにおいもいっしょに吹き込んでくる。
冷たく重く湿った空気。彼がその空気を含んだジャケットを脱ぎ、それをコートスタンドにかけた。
「おかえり。雨、降ってきたね。濡れなかった?」
「うん、大丈夫。折りたたみの傘を持っていたから。それにしても、冷える」
「そう思って、豚汁をつくったの」
彼が嬉しそうにはしゃいだ。
彼はほんとうに食べものを綺麗に平らげる。
お箸の持ち方ももちろん正しく美しく、絶対に食べものを突き刺したりつるつると逃したりしない。
里芋とイカの煮物が彼のくちに運ばれていく。
その様子をコーヒーを飲みながら眺め、食べ方が綺麗だということは、ほんとうに好ましいことだと感じていた。
「今度ね、ちはるとランチにでも行こうと思っているの」
マグカップを置き、ちはるに返事をする。
早く会いたい、と思った。
会って、話がしたい。昔みたいに、わたしを安心感で包んで強く勇気付けてほしい。
彼女の屈託のない笑顔が浮かんだ。
大丈夫よ、って、肩を叩いて励ましてもらいたい──。
「ただいまー」
はじめが帰ってくると同時に、外のにおいもいっしょに吹き込んでくる。
冷たく重く湿った空気。彼がその空気を含んだジャケットを脱ぎ、それをコートスタンドにかけた。
「おかえり。雨、降ってきたね。濡れなかった?」
「うん、大丈夫。折りたたみの傘を持っていたから。それにしても、冷える」
「そう思って、豚汁をつくったの」
彼が嬉しそうにはしゃいだ。
彼はほんとうに食べものを綺麗に平らげる。
お箸の持ち方ももちろん正しく美しく、絶対に食べものを突き刺したりつるつると逃したりしない。
里芋とイカの煮物が彼のくちに運ばれていく。
その様子をコーヒーを飲みながら眺め、食べ方が綺麗だということは、ほんとうに好ましいことだと感じていた。
「今度ね、ちはるとランチにでも行こうと思っているの」