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第4章 秋雨

　待ち合わせ場所に現れたちはるは、ボルドーのゆったりとしたＶネックのニットにブラックのフレアスカート、ブラックのタイツにスエードのパンプスをあわせ、チャコールグレーの暖かそうな大判ストールをふわりと羽織っていた。流行りのブランドのバッグを肩からさげている。ゴールドの華奢なネックレスがとてもよく似合っていた。

「変わらないねぇ」

　お互いにそう交わし、目的のカフェへと向かった。
　低く垂れ込めた灰色の雲。ちはるの、綺麗に切り揃えられたワンカールボブが揺れる。

「ヒカル先輩のプレゼントね、フリルのついたとぉっても可愛いおもてなし用のエプロンとミトンのセットなんてどうかなって話してたんだけど、どう思う？」

　ちはるは先輩たちともよく連絡を取り合い、予定が合えばランチにバーベキューにと会っているそうだ。

「自分じゃなかなか買わない種類のものだろうしね、いいんじゃないかな。ヘアスタイルにもよるけど、似たようなテイストのバンスクリップとかシュシュとか髪留めもあると良いかも」

「あ、それいいね。メモしておいて、あとで先輩たちに送っておくわ」

　白い壁に黒い窓枠、下方から薄鈍色の植物のシルエットが描かれた大きな窓ガラスが並ぶオシャレなカフェ。
　そのカフェに入り、奥の空いている席へと案内された。