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同棲中の彼とのセックスレスを解消したい!
第4章 秋雨
「なるほどね。そうだったんだ……。なんだか世間って狭いのねぇ」

「ほんとうにそう思う。同じ大学だったわけだし、ありえない話ではないけどね」

 根菜のパンプキンスープとアボカドと緑黄色野菜のサラダが運ばれてくる。サラダには酵素ドレッシングがかけられていた。
 バゲットは食べ放題。ちはるは秋鮭のクリームパスタを、わたしは自家製ボロネーゼを。食後のデザートとドリンクもしっかりと頼んである。

「れみと彼、もうだいぶ長いんだよね?」
「そうね、高校のときから付き合っているから……もう十年にはなるわね」

 ちはるが、十年! と驚いた声で繰り返した。
 そう、もう十年になるんだ。ありふれた理由でケンカをしたこともあった。いっしょに受験勉強もした。クリスマス、初詣、バレンタインデー、ホワイトデー、それぞれのお誕生日に記念日に……たくさんのイベントをいっしょに過ごしてきた。
 いっしょに暮らし始めてからは、『恋人』というより『家族』として彼と生活を共にしているようにわたしは思う。それは彼もわかると言っていた……。

「ちはるは? その指輪、プレゼントよね?」

 わたしはあえて『十年の付き合い』のその先に話が伸びる前に、話題を彼女のことへと振った。
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