パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第4章 秋雨

　命を燃やし尽くしてしまうのではないかというような愛と愛のぶつかり合い。
　火花が見えるような気さえした。

　わたしの身体の奥のほうまでも熱くなる。
　もしかしたら彼らは、会える時が限られたふたりなのかもしれない……。

　愛の言葉を叫びながら、男が猛然と腰を振る。
　女もそれに応えるように腰を大きく反らし、同じ言葉を返した。

　二度目の絶頂を迎え、彼らはお互いの身体をきつく締め付け合いながらため息のような声を洩らした。
　男の身体に絡みつく女の脚が、なまめかしく光っている──。




「情熱的なひとたちだったね」

　駅から自宅までの帰り道。ちはるとのランチの話が一区切りついたあと、はじめがやわらかい声で言った。

　雨がさんさんと傘を鳴らし、濡れたアスファルトが街灯に照らされてぬらぬらと光っている。

「うん……。なんだかワケありな感じもしたけどね」

　ふたりが部屋を出るときの、彼女の切なそうな表情が頭に残って離れない。
　ふたりが絡み合っていたベッドを見つめていたあの目。
　濡れているように真っ黒で、じっと見ていると吸い込まれてしまうんじゃないかとさえ感じた。