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同棲中の彼とのセックスレスを解消したい!
第4章 秋雨
ありがとう。ありがとう。ありがとう。
くちから出せるのは、それだけ。
でも、ほんとうは……。
ほんとうは、彼に抱きしめてもらいたかった──。
彼がわたしを包み込むように抱きすくめてくれたら、きっとわたしの身体は末端までホカホカとあたたまるはず。
さくさくとしたこころが溶けて丸くなるはず。
でも、言い出さなかった。言い出せない。
肌を合わせることができないわたしから、抱きしめてもらうことを望むなんて──。そんなことはしてはいけないと、気持ちがブレーキをかける。
出かかった言葉を飲み込み、飲み込んだその言葉たちがこころの中に積み上がっていく。
その重みで、身体がソファーに沈み込んでしまうのではないかと思った。
身体が硬く重く、岩のように冷たくなっていくような気がした。
雨が降り、風が吹き、岩は少しずつ苔むしていく。自分の身体が、こころがそうなっていくような気がした。
友達の幸せな姿を妬ましく思うような女にはなりたくない。
その思いがわたしを支えていた。
そんな女になるくらいなら、いっそ岩になってしまうほうがいい……。
わたしに欠けているものは何なのか、誰かに指摘され、そしてそれを治す方法を教えてもらいたい。
くちから出せるのは、それだけ。
でも、ほんとうは……。
ほんとうは、彼に抱きしめてもらいたかった──。
彼がわたしを包み込むように抱きすくめてくれたら、きっとわたしの身体は末端までホカホカとあたたまるはず。
さくさくとしたこころが溶けて丸くなるはず。
でも、言い出さなかった。言い出せない。
肌を合わせることができないわたしから、抱きしめてもらうことを望むなんて──。そんなことはしてはいけないと、気持ちがブレーキをかける。
出かかった言葉を飲み込み、飲み込んだその言葉たちがこころの中に積み上がっていく。
その重みで、身体がソファーに沈み込んでしまうのではないかと思った。
身体が硬く重く、岩のように冷たくなっていくような気がした。
雨が降り、風が吹き、岩は少しずつ苔むしていく。自分の身体が、こころがそうなっていくような気がした。
友達の幸せな姿を妬ましく思うような女にはなりたくない。
その思いがわたしを支えていた。
そんな女になるくらいなら、いっそ岩になってしまうほうがいい……。
わたしに欠けているものは何なのか、誰かに指摘され、そしてそれを治す方法を教えてもらいたい。