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同棲中の彼とのセックスレスを解消したい!
第4章 秋雨
 ひとりの夕食はいつも外食をするか作り置きのもので済ませるか、それか美味しいパン屋さんで選んで買ったパンとスープにすることが多い。
 ひとりだと、あまりつくる気にならない。

 お料理をすることは好きだけど、やっぱり食べてくれるひとがいるからこそ楽しめるものなのよねとわたしは思った。

 今日はパンを買って帰ろう。
 バゲットやクロワッサンの他に、バニラビーンズが香る、カスタードクリームがたっぷり入った甘い甘いパンも。

 そしてそれを頬張りながら、録画していた映画でもみようかな。確か、はじめの好みには合わないだろうなと感じたものが何作か残っていたはず。

 平日の夜の数時間を、別々に過ごすことはあまりないことだった。
 でも、いっしょに暮らす前はその逆、夜の数時間をいっしょに過ごすことのほうが少なかったのだと思うと奇妙な感じがした。

 当たり前だと感じることが変わっていっている。

 今はもう、彼といっしょに生活を営んでいくことが当たり前になっている。きっと彼だってそう。
 わたしの人生の中に、はじめは当然のように深く腰をおろしている。根をはり、地中深くに潜り込んでもいるかもしれない。
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