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第1章 模索

「れみはピンクとかオレンジよりは、ブルーとかグリーンとか寒色系が似合うと思うんだよね」

　あれやこれやと言い合いながら、いろいろな可愛いお洋服をふたりで見ていった。
　こんなにもフリルやギャザー、レースのたくさんついたお洋服を買おうと思ったことは今までに一度もなかった。
　それらは物珍しく、そして思わず気おくれしてしまうほどに可愛らしいものばかりだった。

　わたしなんかに似合うわけがない……。そう思いながらも、はじめが喜んでくれるなら……と、気持ちを奮い立たせた。

　メリーゴーラウンドやさまざまなお菓子のイラストがプリントされたスカート、シックな濃いレッドのケープ、レースがふんだんに使われたドロワーズ……。
　めまいがしそうなほどの非現実感。甘い砂糖菓子のよう。

　こういったお洋服を好んで着る女の子たちって、いったいどんな生活をしているのかしら。西洋のお人形さんが着ているようなお洋服たち。

「もうね、着てくれるだけでもいいよ。れみがこういう可愛い格好をしているところが見てみたい」

　興奮した様子の彼が楽しそうに言った。ギャップがあっていいじゃん、とも。
　そのウキウキとした彼の様子に、思わず目を細めてしまった。
　愛しいとこころから思った。