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同棲中の彼とのセックスレスを解消したい!
第6章 飛翔
「ううん、そうじゃなくてね。れみのご両親に挨拶をするときに、パリッとした新しいスーツを着て行きたいと思ってさぁ」
彼の言葉を聞いて、思わず頬が緩む。
こんなに幸福で良いのかしら。悩み、彼を疑ってしまっていたことが遠い昔のことのように思えた。『結婚』への道が着々とできていく。彼は何か吹っ切れたように、その単語を頻繁にくちにした。
「挨拶が終わったら、さすがにあのアルバイトは辞めるべきだよね」
「えっ、でもわたし……あのカップルにお礼が言いたいからあの子たちが再びあそこに来るまでは続けたい」
「あぁ、そうだね。俺もあのふたりにありがとうって言いたいな。勇気をくれたから」
鯖のみぞれ煮が彼の体内に取り込まれていく。
その様子を見ながら、食事と肌を重ねることは似ているような気がすると思った。
食事中に言うのは品がないと思ったので、その考えは自分の中だけに留めておく。
でも、わたしは確信する。
彼がお味噌汁を飲み、小松菜のお浸しを食べ、そして自分も同じように箸を進める。その行為によって、わたしたちの身体は日々似てきているのだと感じ、喜んだ。食事をすること、肌を合わせること、それらはふたりをよりいっそう近づけるものだと思った。
彼の言葉を聞いて、思わず頬が緩む。
こんなに幸福で良いのかしら。悩み、彼を疑ってしまっていたことが遠い昔のことのように思えた。『結婚』への道が着々とできていく。彼は何か吹っ切れたように、その単語を頻繁にくちにした。
「挨拶が終わったら、さすがにあのアルバイトは辞めるべきだよね」
「えっ、でもわたし……あのカップルにお礼が言いたいからあの子たちが再びあそこに来るまでは続けたい」
「あぁ、そうだね。俺もあのふたりにありがとうって言いたいな。勇気をくれたから」
鯖のみぞれ煮が彼の体内に取り込まれていく。
その様子を見ながら、食事と肌を重ねることは似ているような気がすると思った。
食事中に言うのは品がないと思ったので、その考えは自分の中だけに留めておく。
でも、わたしは確信する。
彼がお味噌汁を飲み、小松菜のお浸しを食べ、そして自分も同じように箸を進める。その行為によって、わたしたちの身体は日々似てきているのだと感じ、喜んだ。食事をすること、肌を合わせること、それらはふたりをよりいっそう近づけるものだと思った。