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恋はいつでも平行線【完結】
第2章 *二*
どうすれば回避できるのか、必死に考えるけど、なんにも思いつかない。
「あのね」
どうにか考えを改めさせようと思ってそう口にしたけれど、続きはなにも思いつかない。
必死になって考えていると、臣哉はじりじりとわたしに近寄ってきていた。手を伸ばしたら触れられる距離にあって、かなり焦った。
こうなったら、恥ずかしいとか言っていられない、正直に話そう!
「こ、これには、事情があって!」
「寝起きにオナるのに、事情なんてあるわけないだろう」
「敬人伯父さんのお仕事の一部で……!」
この説明、間違ってない!
けれど……。
「敬人さんの仕事の一部が、そのオナニーなのか?」
もっと言い方ってものがあると思うのですが、本当にデリカシーのなさにため息しか出ない。
普段だったら臣哉に付き合っていられなくてここで呆れて放置するのだけど、今日はわたしの貞操の危機がかかっているから、食ってかかった。
「そうよ!」
この答えがいけなかったのか、それとも違うといっても結果は一緒だったのか分からないけれど、臣哉はにやりと笑った。
「へー、仕事」
臣哉の表情は、わたしの発言を思いっきり疑っている様子だった。
まぁ、そうですよね。
自慰がお仕事だなんて、そんなのあるわけないよね、普通ならば!
……しかし。
ここは残念ながら、普通ではないのだ。
「あのねっ、ここが、どういうところか、知ってるよね?」
わたしが寝起きしているこの建物は、敬人伯父さんが、とある目的のために買い手がつかなくて困っているところに目を付けて、安く買ったものだ。
臣哉はわたしの質問に、物憂げそうに目を細めて答えた。
「知っている。呪われていると言われている骨董品が山ほどあって、その管理をおまえが任されてる」
わたしは、正解と、無言でうなずいた。
敬人伯父さんは、各地から様々な骨董品を買ってきて、それを売る仕事をしている。
そして、それらは基本的にはなんにも問題がなく、店頭とインターネットに同時に並べられ、売られていく。
しかし、中には問題のあるものもあるわけで……。
それらがこの建物に集められていて、わたしが管理をしているのだ。
「──で、それと自慰がどう関係あるんだ?」
その質問に、わたしは臣哉をにらみつけた。
「あのね」
どうにか考えを改めさせようと思ってそう口にしたけれど、続きはなにも思いつかない。
必死になって考えていると、臣哉はじりじりとわたしに近寄ってきていた。手を伸ばしたら触れられる距離にあって、かなり焦った。
こうなったら、恥ずかしいとか言っていられない、正直に話そう!
「こ、これには、事情があって!」
「寝起きにオナるのに、事情なんてあるわけないだろう」
「敬人伯父さんのお仕事の一部で……!」
この説明、間違ってない!
けれど……。
「敬人さんの仕事の一部が、そのオナニーなのか?」
もっと言い方ってものがあると思うのですが、本当にデリカシーのなさにため息しか出ない。
普段だったら臣哉に付き合っていられなくてここで呆れて放置するのだけど、今日はわたしの貞操の危機がかかっているから、食ってかかった。
「そうよ!」
この答えがいけなかったのか、それとも違うといっても結果は一緒だったのか分からないけれど、臣哉はにやりと笑った。
「へー、仕事」
臣哉の表情は、わたしの発言を思いっきり疑っている様子だった。
まぁ、そうですよね。
自慰がお仕事だなんて、そんなのあるわけないよね、普通ならば!
……しかし。
ここは残念ながら、普通ではないのだ。
「あのねっ、ここが、どういうところか、知ってるよね?」
わたしが寝起きしているこの建物は、敬人伯父さんが、とある目的のために買い手がつかなくて困っているところに目を付けて、安く買ったものだ。
臣哉はわたしの質問に、物憂げそうに目を細めて答えた。
「知っている。呪われていると言われている骨董品が山ほどあって、その管理をおまえが任されてる」
わたしは、正解と、無言でうなずいた。
敬人伯父さんは、各地から様々な骨董品を買ってきて、それを売る仕事をしている。
そして、それらは基本的にはなんにも問題がなく、店頭とインターネットに同時に並べられ、売られていく。
しかし、中には問題のあるものもあるわけで……。
それらがこの建物に集められていて、わたしが管理をしているのだ。
「──で、それと自慰がどう関係あるんだ?」
その質問に、わたしは臣哉をにらみつけた。