この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
恋はいつでも平行線【完結】
第27章 *二十七*
目が覚めると、部屋は真っ暗で、そして、布団の上にわたし一人だけが寝ていた。
しん……と静まり返った部屋に、ぼんやりする頭で考える。
奉納の舞いの神楽に合わせて、青に抱かれた。
抱かれすぎて、それが気持ちいいのか、なんなのか、すでに感覚が麻痺していて分からないけれど、でも、今までに感じたことがないほどの快楽を与えられた……と思う。
思い出すだけでじんわりと蜜があふれてくるような気がするから、気持ちがよかったのだと思う。
それはともかく、いつも一緒に寝てくれていた青の気配がまったく感じられない。
どうして?
身体を起こそうとしたけれど、イキすぎたせいなのか、力が入らなくて、寝返りを打つのも一苦労だ。
時間をかけてゆっくりと身体を伏せて、それから、廊下ではなく、縁側へと続くふすまに這いよってそっと開けて──息をのんだ。
雲一つない空には満月が浮かんでいて、その下に、青と──青に向き合った臣哉が立っていた。
……って、え、なんでここに臣哉がいるのっ?
二人は睨み合ったまま、しばらく動かなかったけれど、そよと頬を撫でる風が二人の前髪を揺らした後、青が口を開いた。
「遅かったな」
青白い月の光しかないけれど、青の顔色がひどく悪いことがここからでもよく分かった。
対する臣哉の顔は、俯いているせいでよく見えない。
「柚希なら、何度も抱いたから」
青、どうしてそういうことを臣哉に言うのよ!
事実だけど、わざわざ伝えなくてもよくないっ?
「──で、それで?」
臣哉からは、聞いたことがないくらい冷たい声が返ってきた。
え、怒ってる……の?
「柚希はおまえのこと、嫌いだって」
「知ってる」
「デリカシーがないし、無理矢理ヤルし、大っ嫌いって」
「知ってる。だからなんだ?」
青も青だけど、臣哉もなにそれ。
「別に柚希に好かれようなんて思ってない」
「へー。必死になって探し回っていたくせに?」
「……それとこれとは別だ」
探し回っていた……?
それ、どういうこと?
「オレだって柚希のこと、嫌いだ」
「へー?」
「あいつのこと、嫌いだけど、身体は好きなんだよ」
しん……と静まり返った部屋に、ぼんやりする頭で考える。
奉納の舞いの神楽に合わせて、青に抱かれた。
抱かれすぎて、それが気持ちいいのか、なんなのか、すでに感覚が麻痺していて分からないけれど、でも、今までに感じたことがないほどの快楽を与えられた……と思う。
思い出すだけでじんわりと蜜があふれてくるような気がするから、気持ちがよかったのだと思う。
それはともかく、いつも一緒に寝てくれていた青の気配がまったく感じられない。
どうして?
身体を起こそうとしたけれど、イキすぎたせいなのか、力が入らなくて、寝返りを打つのも一苦労だ。
時間をかけてゆっくりと身体を伏せて、それから、廊下ではなく、縁側へと続くふすまに這いよってそっと開けて──息をのんだ。
雲一つない空には満月が浮かんでいて、その下に、青と──青に向き合った臣哉が立っていた。
……って、え、なんでここに臣哉がいるのっ?
二人は睨み合ったまま、しばらく動かなかったけれど、そよと頬を撫でる風が二人の前髪を揺らした後、青が口を開いた。
「遅かったな」
青白い月の光しかないけれど、青の顔色がひどく悪いことがここからでもよく分かった。
対する臣哉の顔は、俯いているせいでよく見えない。
「柚希なら、何度も抱いたから」
青、どうしてそういうことを臣哉に言うのよ!
事実だけど、わざわざ伝えなくてもよくないっ?
「──で、それで?」
臣哉からは、聞いたことがないくらい冷たい声が返ってきた。
え、怒ってる……の?
「柚希はおまえのこと、嫌いだって」
「知ってる」
「デリカシーがないし、無理矢理ヤルし、大っ嫌いって」
「知ってる。だからなんだ?」
青も青だけど、臣哉もなにそれ。
「別に柚希に好かれようなんて思ってない」
「へー。必死になって探し回っていたくせに?」
「……それとこれとは別だ」
探し回っていた……?
それ、どういうこと?
「オレだって柚希のこと、嫌いだ」
「へー?」
「あいつのこと、嫌いだけど、身体は好きなんだよ」