この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
恋はいつでも平行線【完結】
第29章 *二十九*
 臣哉の冷たい視線に、ゆらゆらと、まるで水の姿になった青越しに見るみたいな視界になった。

 臣哉に嫌われているということは、彼の言動で知っていた。
 それでも、仕事上では普通に接してくれていたから、気にしないようにしていたのだけど……。

 今まで、会う度に探るような視線を向けられたことはあるけれど、こんなに冷たい視線を向けられたことはなかった。
 どうやら本格的に嫌われてしまったらしい。

 嫌われた理由は、今、臣哉が言ったことがすべてなのだろう。

 だけど、反論させてほしい。

 臣哉に処女を奪われたことは事実だ。そこは、悲しいかな、覆らない事実だ。

 臣哉に処女を奪われたけれど、しかし、イコール、わたしは臣哉のモノ、というのはおかしくないだろうか。
 それよりも、そもそもあれは、合意の上ではなかった。
 もしも時間が戻せるのなら、あの時点に戻って、なかったことにしたいくらいだ。

 とはいえ、残念ながら「なかったこと」にはできないため、この事実を知ってしまった敬人伯父さんは、わたしの意向なんてお構いなしに勝手に柏家と話を進めて、臣哉と結婚することになってしまった。
 わたしと結婚することに関しては臣哉は同意していたけれど、わたしは同意していない。

 ということは。
 わたしが臣哉以外の人とどういう関係になっても、浮気にはならないと思うのだけど、それはわたしが都合がよいように解釈しているだけだろうか。
 わたしの認識では、臣哉は婚約者候補でしかない。
 だから、ここに第二の候補者である青が出てきて、わたしと良い関係になったとしても、問題ないと思う。
 ……まあ実際は、青とは結婚なんてできないのだけど。

 ということで、臣哉に反論をするために口を開いたのだけど。

「わたし……はっ」
/187ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ