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恋はいつでも平行線【完結】
第31章 *三十一*
 臣哉が持ってきた金のブレスレット。
 あれは元々は十七世紀のイギリスで作られたものだったということを知り、壊れたことに残念に思っていた。
 だけどこのブレスレットができたエピソードを聞く限りでは、呪いの品になりそうな要素はないと思っていたのに、時を超えた日本で起こった事件が関わっている……らしい。

「返さないのなら、出るところに出ると言われて、彼女は混乱した。さらには、弁護士と名乗る男まで出てきて、勝手に返済計画まで立てられた」
「うわぁ、ひどい」
「返せないのなら、仕事を紹介すると言われて、連れて行かれたところで複数の男たちに陵辱された……しかも彼女はこの時点で、処女だった」
「……え」
「それから彼女はどこかに監禁されて、見知らぬ男に代わる代わる……しかも避妊なしにやられて、妊娠したと分かったら、腹を殴られて」
「ひどい……」
「……本当にな」

 報道ではそんなことは言われてなかったけれど、あまりのひどさに事実を伝えられないと思ったのか、それともそこまで分かっていないのか、そういう情報は一切出ていなかったと思う。

「月に一度、彼女はいつも監禁されている部屋から出されて、どこかに連れ出されて、そこでやはり複数の男たちを相手にしなくてはならない日があって、彼女はその日、相手の男たちを一人ずつ殺した」
「…………」
「その足で彼女は外に出て、身を潜めて、男の行方を追った」

 そして、彼女は男の秘密を知ってしまう。

「彼は結婚詐欺師だったんだよ」
「…………」
「彼女のように世間知らずな女を騙して、金を巻き上げていた」
「それなら……!」
「どうして女性を殺したのかって? それはね」

 青はそう言うと、とても悲しそうに笑った。

「彼女は彼に、本当に恋をしていた。だけど、キスはおろか、手を繋ぐことさえしてもらったことがなかった」
「え……それなのに、どうして、結婚……」
「それは彼女が、彼のことを好きだったから」
「…………」
「側にいられるだけでも嬉しいと、彼女は思っていた。それなのに、彼は彼女以外の女性の手を握ったり、肩を抱いたり、キスをしたり、あまつさえ、身体の関係を持ったりした。彼女は女性たちに嫉妬した」
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