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恋はいつでも平行線【完結】
第31章 *三十一*

だから彼が標的にした女性を次々に殺したのだ、と青は辛そうに言った。
それって……すごく、悲しい。
「女性の手首には、あの金のブレスレットがされていて、それを見て彼女は、あの宝石商と彼がグルだったと知った」
「…………」
「そしてあの、本当ならば愛に満ちあふれていたブレスレットは、憎しみの血を浴び続けて、呪われた品へとなってしまった」
それが事実ならば、胸が苦しい。
「愛と憎しみは表裏一体。彼女は彼を憎しみながらも、彼からの愛を求めて、そして──ともに死ぬという道を選んだ」
「……ひどい」
「ほんとにね」
だけど、あのブレスレットは青が壊してしまった。
「これで終わりだったら良かったんだけど」
「まだ……続く、の?」
「あぁ。あの金のブレスレット、残念なことに、柚希の蜜で力を得てしまったんだ」
「え……」
「ブレスレットを壊したら終わりだと思っていたのに、どうやらそれだけでは済まなかった。しかも、あの臣哉とかいう男。あれも厄介だ」
「臣哉……?」
そういえば、夢の中であった時に、やたらに臣哉の精液が欲しいと言われたような気がする。
「あいつ、何者?」
「何者と言われても。柏臣哉というデリカシーのない人としか」
青が求めていたのはそういったことではなかったようで、顔をしかめて、嫌そうに口を開いた。
「人間なの?」
「え?」
「あいつ、おかしいよ。呪いの骨董にあんなに取り憑かれても平気そうだったし、そしてなによりも、あの女に取り憑かれて、むっちゃ精液を絞り取られても元気だし」
「え……と、あのぉ」
話が見えてこなくて遠慮がちに聞くと、それまで黙っていた雪さんが口を開いた。
「それはたぶんですが、柚希さまの初めてを奪ったからでしょう」
「あー……。そういう、ことか」
「え、そういうことって、なにがどう?」
わたしの質問に雪さんは背筋を伸ばして、わたしを見た。
「神田家の人たちは、水の加護があります」
それって……すごく、悲しい。
「女性の手首には、あの金のブレスレットがされていて、それを見て彼女は、あの宝石商と彼がグルだったと知った」
「…………」
「そしてあの、本当ならば愛に満ちあふれていたブレスレットは、憎しみの血を浴び続けて、呪われた品へとなってしまった」
それが事実ならば、胸が苦しい。
「愛と憎しみは表裏一体。彼女は彼を憎しみながらも、彼からの愛を求めて、そして──ともに死ぬという道を選んだ」
「……ひどい」
「ほんとにね」
だけど、あのブレスレットは青が壊してしまった。
「これで終わりだったら良かったんだけど」
「まだ……続く、の?」
「あぁ。あの金のブレスレット、残念なことに、柚希の蜜で力を得てしまったんだ」
「え……」
「ブレスレットを壊したら終わりだと思っていたのに、どうやらそれだけでは済まなかった。しかも、あの臣哉とかいう男。あれも厄介だ」
「臣哉……?」
そういえば、夢の中であった時に、やたらに臣哉の精液が欲しいと言われたような気がする。
「あいつ、何者?」
「何者と言われても。柏臣哉というデリカシーのない人としか」
青が求めていたのはそういったことではなかったようで、顔をしかめて、嫌そうに口を開いた。
「人間なの?」
「え?」
「あいつ、おかしいよ。呪いの骨董にあんなに取り憑かれても平気そうだったし、そしてなによりも、あの女に取り憑かれて、むっちゃ精液を絞り取られても元気だし」
「え……と、あのぉ」
話が見えてこなくて遠慮がちに聞くと、それまで黙っていた雪さんが口を開いた。
「それはたぶんですが、柚希さまの初めてを奪ったからでしょう」
「あー……。そういう、ことか」
「え、そういうことって、なにがどう?」
わたしの質問に雪さんは背筋を伸ばして、わたしを見た。
「神田家の人たちは、水の加護があります」

