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恋はいつでも平行線【完結】
第31章 *三十一*
青の何気ない一言に、わたしは思わず青に抱きついた。
「え、臣哉、行方不明なのっ?」
「……あ」
青はしまったという表情をして、雪さんはそれを見て、青を睨み付けていた。
どうやら臣哉が行方不明というのは、わたしに秘密にしておくことだったようだ。
「いつからっ?」
「……あの秋祭りの夜に会ってから先」
青は観念したように教えてくれた。
今までずっと寝転がったまま話を聞いていたのだけど、臣哉が行方不明と聞いて、いきなり起き上がったため、立ちくらみがした。
青が身体を支えてくれて、再び横にしてくれた。
「あの……」
落ち着いてから青の手を掴んで、口を開いた。
「あの後、臣哉にどこか分からない場所に連れて行かれたみたいで」
「……え。でも……柚希、庭の池の橋で倒れていたんだけど」
「庭の池……?」
青の言葉に、思わず唸った。
わたしと臣哉がいたあそこは一体どこ?
てっきり臣哉にどこかに監禁されそうになったと思っていたのだけど、違ったのだろうか。
「暗くて周りが見えなかったけれど、わたし、臣哉に手足を縛られて……どこかに監禁されそうになってた」
「なにっ?」
「それは、どこ?」
青と雪さんと同時に聞かれたけれど、わたしも分からない。
「……分からない。本当に真っ暗で、でも、臣哉がいて……それで、それで……」
それで、どうだった?
「話をしていたら、途中から臣哉じゃなくなって……首を絞められて、死にそうに……なった」
「……それで、首が赤くなっていたのか」
青と雪さんは同時にうーんと唸った。
それから二人は顔を見合わせて、雪さんが立ち上がった。
「私は心当たりを探してみるわ」
「分かった。俺は柚希の側にいる」
それだけで二人は意思が通じ合ったようだ。
それを見て、わたしの心はズキリと痛んだ。
「柚希?」
じっと見ていたわたしの顔を見て、青が不思議そうに首を傾げた。
「……なんでもない!」
自分のその感情が嫉妬だと気がついて、わたしは慌てて青に背を向けた。
青は少し困ったような空気を醸していたけれど、わたしの後ろに座って、優しく肩を撫でてきた。
「なんでもないって顔じゃないけど。……俺、柚希の側にずっといるから」
青のその言葉に、わたしはなにも返せなかった。
「え、臣哉、行方不明なのっ?」
「……あ」
青はしまったという表情をして、雪さんはそれを見て、青を睨み付けていた。
どうやら臣哉が行方不明というのは、わたしに秘密にしておくことだったようだ。
「いつからっ?」
「……あの秋祭りの夜に会ってから先」
青は観念したように教えてくれた。
今までずっと寝転がったまま話を聞いていたのだけど、臣哉が行方不明と聞いて、いきなり起き上がったため、立ちくらみがした。
青が身体を支えてくれて、再び横にしてくれた。
「あの……」
落ち着いてから青の手を掴んで、口を開いた。
「あの後、臣哉にどこか分からない場所に連れて行かれたみたいで」
「……え。でも……柚希、庭の池の橋で倒れていたんだけど」
「庭の池……?」
青の言葉に、思わず唸った。
わたしと臣哉がいたあそこは一体どこ?
てっきり臣哉にどこかに監禁されそうになったと思っていたのだけど、違ったのだろうか。
「暗くて周りが見えなかったけれど、わたし、臣哉に手足を縛られて……どこかに監禁されそうになってた」
「なにっ?」
「それは、どこ?」
青と雪さんと同時に聞かれたけれど、わたしも分からない。
「……分からない。本当に真っ暗で、でも、臣哉がいて……それで、それで……」
それで、どうだった?
「話をしていたら、途中から臣哉じゃなくなって……首を絞められて、死にそうに……なった」
「……それで、首が赤くなっていたのか」
青と雪さんは同時にうーんと唸った。
それから二人は顔を見合わせて、雪さんが立ち上がった。
「私は心当たりを探してみるわ」
「分かった。俺は柚希の側にいる」
それだけで二人は意思が通じ合ったようだ。
それを見て、わたしの心はズキリと痛んだ。
「柚希?」
じっと見ていたわたしの顔を見て、青が不思議そうに首を傾げた。
「……なんでもない!」
自分のその感情が嫉妬だと気がついて、わたしは慌てて青に背を向けた。
青は少し困ったような空気を醸していたけれど、わたしの後ろに座って、優しく肩を撫でてきた。
「なんでもないって顔じゃないけど。……俺、柚希の側にずっといるから」
青のその言葉に、わたしはなにも返せなかった。