この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
恋はいつでも平行線【完結】
第31章 *三十一*
と言われても、なんだかピンとこない。
でもそれはきっと、雪さんと青が守ってくれていることなのだろう。
「昔の神田家の人たちは、実は……加護を与えるといって、不特定多数の男たちと交わっていたのです」
「……え」
「とはいえ、不特定多数と言っても、誰彼構わずではないですよ。巫女が嫌と言えば、たとえ金をたくさん積まれても、受けませんでした。ただし、巫女が気に入れば、身分関係なく、受け入れていました」
そうだったんだ。
「でも、前の奥さまの時から、そういうことは止めることになったのです」
初めて聞いた話だった。
「え……と、今の話を聞いていたら、神田家の人たちは加護があるのよね? それなのに、どうして巫女だけ?」
「男性も加護を与えることができると思うのですが、いかんせん、あちこちに種をばらまかれると色々困りますし、なによりも、男性は別の家に入ることになっていましたから……」
あー、なるほど。
「……あいつが柚希の加護を受けていた、というのは分かった。でも、あいつ、それ以前からなんかおかしいよ。呪われたものにやたらに好かれてないか?」
それはちょっと不思議に思っていたことだった。
「そういうのに『好かれる』人というのはいるでしょう。彼がたまたまそうだったのかと」
そんな気がしていたけれど、臣哉はどうやら、呪われたモノに好かれる体質らしい。
「俺、あいつのこと、嫌い」
「青、あなたは呪われたなにかだったのですか」
雪さんの呆れた声に、わたしは思わず笑った。
「そういう雪はどうなんだよ」
「私もあの人は苦手ですね。顔の造詣はともかく、あの流し目がどうも駄目です」
それはわたしも同意だったので、うなずいた。
「じゃ、あいつ、このまま行方不明でもだれも困らないじゃん」
でもそれはきっと、雪さんと青が守ってくれていることなのだろう。
「昔の神田家の人たちは、実は……加護を与えるといって、不特定多数の男たちと交わっていたのです」
「……え」
「とはいえ、不特定多数と言っても、誰彼構わずではないですよ。巫女が嫌と言えば、たとえ金をたくさん積まれても、受けませんでした。ただし、巫女が気に入れば、身分関係なく、受け入れていました」
そうだったんだ。
「でも、前の奥さまの時から、そういうことは止めることになったのです」
初めて聞いた話だった。
「え……と、今の話を聞いていたら、神田家の人たちは加護があるのよね? それなのに、どうして巫女だけ?」
「男性も加護を与えることができると思うのですが、いかんせん、あちこちに種をばらまかれると色々困りますし、なによりも、男性は別の家に入ることになっていましたから……」
あー、なるほど。
「……あいつが柚希の加護を受けていた、というのは分かった。でも、あいつ、それ以前からなんかおかしいよ。呪われたものにやたらに好かれてないか?」
それはちょっと不思議に思っていたことだった。
「そういうのに『好かれる』人というのはいるでしょう。彼がたまたまそうだったのかと」
そんな気がしていたけれど、臣哉はどうやら、呪われたモノに好かれる体質らしい。
「俺、あいつのこと、嫌い」
「青、あなたは呪われたなにかだったのですか」
雪さんの呆れた声に、わたしは思わず笑った。
「そういう雪はどうなんだよ」
「私もあの人は苦手ですね。顔の造詣はともかく、あの流し目がどうも駄目です」
それはわたしも同意だったので、うなずいた。
「じゃ、あいつ、このまま行方不明でもだれも困らないじゃん」