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恋はいつでも平行線【完結】
第10章 *十*
閉店後の店内に当たり前のようにずかずかと入り込んできた臣哉は、兄の穂貴に首根っこを捕まれ、強制的に外に出されていた。
さすが兄、助かった。
臣哉がいなくなった店内で、わたしは新開さんとともに閉店後の片づけをした。
片づけて、店を出たのは二十一時半過ぎ。
新開さんとは店の前で別れた。
そして残ったのは、なぜか店の外で待っていた臣哉と、敬人伯父さんと兄。
変な組み合わせに、わたしは思わず顔をひきつらせた。
この状況、どうすればいいのだろう。
そう思っていたら、敬人伯父さんが口を開いた。
「臣哉くんから話があると連絡をもらったので来たのですが、閉店後の店に当たり前のように入るのは、感心しませんね」
さすが伯父さん、びしっと言ってくれて助かった。
だけどここで、空気を読めない臣哉は、当たり前のように反論した。
「敬人さん、オレに柚希のところの鍵、預けてくれたってことは、身内同然と思ってるってことだろう? なら、閉店後の店に入っても問題ないよな」
臣哉のその言葉に、伯父さんは男性にしては大きな目をさらに見開き、それから臣哉の肩に手を叩きつけるようにして乗せた。
「敬人さん、痛いっ!」
「あそこの鍵、おまえが勝手に持って行っていたのか!」
「は? 勝手に持って行ってない。オレの目の前に置いてあったから、預けてくれたんだよな」
臣哉のその言葉に、伯父さんは思いっきり首を横に振ってくれた。
やっぱりおかしいと思っていたのよね。
伯父さんが臣哉に鍵を渡すなんてするわけないもの。
「だれもそんなことしてない! おまえみたいなやつに預けるわけないだろう!」
そうですよねー……。
…………────。
だけどそれ、もっと早くに気がついてほしかった……。
油断したら、朝のことを思い出して、恥ずかしいのと悔しいのと情けないのと、臣哉に初めてを奪われた挙句、感じまくってしまったことなど、なにをどう思えばいいのかわからなかったので、今の今まで、意識の外に追い出していたんだけど、とんでもない手違いのせいで、ひどい目に遭ってしまったことが分かり、正直、めまいがした。
さすが兄、助かった。
臣哉がいなくなった店内で、わたしは新開さんとともに閉店後の片づけをした。
片づけて、店を出たのは二十一時半過ぎ。
新開さんとは店の前で別れた。
そして残ったのは、なぜか店の外で待っていた臣哉と、敬人伯父さんと兄。
変な組み合わせに、わたしは思わず顔をひきつらせた。
この状況、どうすればいいのだろう。
そう思っていたら、敬人伯父さんが口を開いた。
「臣哉くんから話があると連絡をもらったので来たのですが、閉店後の店に当たり前のように入るのは、感心しませんね」
さすが伯父さん、びしっと言ってくれて助かった。
だけどここで、空気を読めない臣哉は、当たり前のように反論した。
「敬人さん、オレに柚希のところの鍵、預けてくれたってことは、身内同然と思ってるってことだろう? なら、閉店後の店に入っても問題ないよな」
臣哉のその言葉に、伯父さんは男性にしては大きな目をさらに見開き、それから臣哉の肩に手を叩きつけるようにして乗せた。
「敬人さん、痛いっ!」
「あそこの鍵、おまえが勝手に持って行っていたのか!」
「は? 勝手に持って行ってない。オレの目の前に置いてあったから、預けてくれたんだよな」
臣哉のその言葉に、伯父さんは思いっきり首を横に振ってくれた。
やっぱりおかしいと思っていたのよね。
伯父さんが臣哉に鍵を渡すなんてするわけないもの。
「だれもそんなことしてない! おまえみたいなやつに預けるわけないだろう!」
そうですよねー……。
…………────。
だけどそれ、もっと早くに気がついてほしかった……。
油断したら、朝のことを思い出して、恥ずかしいのと悔しいのと情けないのと、臣哉に初めてを奪われた挙句、感じまくってしまったことなど、なにをどう思えばいいのかわからなかったので、今の今まで、意識の外に追い出していたんだけど、とんでもない手違いのせいで、ひどい目に遭ってしまったことが分かり、正直、めまいがした。