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恋はいつでも平行線【完結】
第10章 *十*
「昨日の夜もいきなり呼び出して、要領を得ないことを口にするし、今日の朝、柚希のところの鍵がないことに気がついて、家中、ひっくり返して探しても見つからなくてどうしようかと思っていたところにまたおまえから電話がかかってくるし……」
伯父さんは、臣哉の肩をつかんだまま、にらみつけた。
「とにかく、鍵を返せ」
「なんでだよ」
「なんでもなにも、おまえ、人のものを盗っていったってことだろうっ!」
「盗ってない。オレの前に置いていたじゃないか」
どういう状況だったのかよくわからないけれど、臣哉が勝手に鍵を手に入れ、今日の朝、やってきたということはわかった。
伯父さんも、鍵なんて大切なもの、もっと厳重に管理してほしいものだわ。
伯父さんと臣哉に文句を言いたかったけれど、今の状況で下手に口をはさめなくて、唇をかみしめて黙っていることしかできなかった。
それに、口を開いたら最後、泣いてしまいそうだったのだ。
そんなわたしの様子なんてお構いなしに、伯父さんは聞いたこともない低い声で、臣哉に命令した。
「鍵と、昨日、預けたいと言っていた呪われた品物を一刻も早く渡せ。そうすれば不問にしてやる」
え、不問にしちゃうのっ?
伯父さん、甘すぎるよ!
「おまえはともかく、柏さんとは長い付き合いだし、お得意様だ。駆け出しのころからお世話になっているのもあるから、今回の件、柏さんに免じて赦してやる」
伯父さんは知らないから、そんな甘いことが言えるのだ。
その鍵のせいでわたし、とんでもない目に遭ったのですが、それを知っても伯父さんは臣哉を赦すこと、できるのかしら。
だから伯父さんに朝の出来事を告げようとして、手を握り締めてから口を開いた。
「伯父さん、その……」
わたしの声に、伯父さんは顔を向けてきたけれど、臣哉がさえぎってきた。
「それが、鍵は返せるけど、昨日言ってた品はほら、柚希の手首にはまって外れないし、それにオレ、今日の朝、柚希の処女、奪ったんだよねー」
伯父さんは、臣哉の肩をつかんだまま、にらみつけた。
「とにかく、鍵を返せ」
「なんでだよ」
「なんでもなにも、おまえ、人のものを盗っていったってことだろうっ!」
「盗ってない。オレの前に置いていたじゃないか」
どういう状況だったのかよくわからないけれど、臣哉が勝手に鍵を手に入れ、今日の朝、やってきたということはわかった。
伯父さんも、鍵なんて大切なもの、もっと厳重に管理してほしいものだわ。
伯父さんと臣哉に文句を言いたかったけれど、今の状況で下手に口をはさめなくて、唇をかみしめて黙っていることしかできなかった。
それに、口を開いたら最後、泣いてしまいそうだったのだ。
そんなわたしの様子なんてお構いなしに、伯父さんは聞いたこともない低い声で、臣哉に命令した。
「鍵と、昨日、預けたいと言っていた呪われた品物を一刻も早く渡せ。そうすれば不問にしてやる」
え、不問にしちゃうのっ?
伯父さん、甘すぎるよ!
「おまえはともかく、柏さんとは長い付き合いだし、お得意様だ。駆け出しのころからお世話になっているのもあるから、今回の件、柏さんに免じて赦してやる」
伯父さんは知らないから、そんな甘いことが言えるのだ。
その鍵のせいでわたし、とんでもない目に遭ったのですが、それを知っても伯父さんは臣哉を赦すこと、できるのかしら。
だから伯父さんに朝の出来事を告げようとして、手を握り締めてから口を開いた。
「伯父さん、その……」
わたしの声に、伯父さんは顔を向けてきたけれど、臣哉がさえぎってきた。
「それが、鍵は返せるけど、昨日言ってた品はほら、柚希の手首にはまって外れないし、それにオレ、今日の朝、柚希の処女、奪ったんだよねー」