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恋はいつでも平行線【完結】
第12章 *十二*
涙はぼろぼろ出るし、油断したらさらに号泣しそうなくらい気持ちがぐちゃぐちゃで、嗚咽混じりだったけれど、思っていたことを口にした。
「臣哉みたいなデリカシーの欠片もない男と結婚なんて、冗談じゃないわよ! 臣哉との結婚か、死かどちらかしかないのなら、わたしは死ぬ方を選ぶ!」
臣哉に対して、恋愛感情はたぶんない。
それどころか、今回の件で嫌いになった。
それまではお仕事だけの付き合いだった。
臣哉との仕事は、取り立ててトラブルはなかった……と思う。
デリカシーはないけど、そこはあえてスルーしていた。
でもこれが、結婚相手となるとなったら、スルーはできない。
わたしの『死ぬ方を選ぶ』という言葉を聞いた伯父さんは、涙が引っ込むくらいの怒りをまとい、わたしを睨みつけた。
「柚希、言っていいことと悪いことがあると教えたと思うが、簡単に死ぬなんて言うな」
いつもより低い声の伯父さんに、普段だったらわたしもここでごめんなさいと言うのだけど、今回だけは引き下がれなかった。
「わたし、まだ伯父さんから謝罪の言葉を聞いてない。伯父さんが臣哉に鍵を渡してなかったら、こんなことになってなかった!」
「臣哉みたいなデリカシーの欠片もない男と結婚なんて、冗談じゃないわよ! 臣哉との結婚か、死かどちらかしかないのなら、わたしは死ぬ方を選ぶ!」
臣哉に対して、恋愛感情はたぶんない。
それどころか、今回の件で嫌いになった。
それまではお仕事だけの付き合いだった。
臣哉との仕事は、取り立ててトラブルはなかった……と思う。
デリカシーはないけど、そこはあえてスルーしていた。
でもこれが、結婚相手となるとなったら、スルーはできない。
わたしの『死ぬ方を選ぶ』という言葉を聞いた伯父さんは、涙が引っ込むくらいの怒りをまとい、わたしを睨みつけた。
「柚希、言っていいことと悪いことがあると教えたと思うが、簡単に死ぬなんて言うな」
いつもより低い声の伯父さんに、普段だったらわたしもここでごめんなさいと言うのだけど、今回だけは引き下がれなかった。
「わたし、まだ伯父さんから謝罪の言葉を聞いてない。伯父さんが臣哉に鍵を渡してなかったら、こんなことになってなかった!」