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恋はいつでも平行線【完結】
第13章 *十三*
ほんと、この男には、デリカシーという言葉はないのでしょうか。
こんなのと結婚して、生活していくなんて、耐えられそうにない。
言い返そうと、起きたばかりでぼんやりする頭を必死に働かせたけれど、なにも思い浮かばなかった。
それよりも、目が覚めてから気がついていたけれど、昨日は化粧を落とす余裕なんてなかったし、泣きながら寝たのもあり、瞼がものすごく腫れぼったい。
しかも、なんでだろう、左腕がものすごく痛いんだけど。
「……あ」
左腕が痛い、というので思い出した。
そうだ、夜中に左腕に激痛が走って目が覚めたんだ。
左腕に視線を向けて、ぎょっとした。
「え、なにこれ」
アンティーク・リンティの店舗スタッフは、白いブラウスに黒いスカートかズボンで、おそろいのエプロンというのが規定の服装だ。
お店は家から歩いてすぐだし、白いブラウスと黒いスカートは別に外に着て出てもおかしくない。
ただ、これだけだと少し肌寒いので、白いカーディガンを羽織っていたのだけど、なんと左腕の部分に、赤い手の跡がついていたのだ。
なにこれ、どういうこと……?
腕が痛かったのは、これのせい……なの?
わたしは怖くなって、着ていたカーディガンを脱ぐと、床に投げ捨てた。
こんなのと結婚して、生活していくなんて、耐えられそうにない。
言い返そうと、起きたばかりでぼんやりする頭を必死に働かせたけれど、なにも思い浮かばなかった。
それよりも、目が覚めてから気がついていたけれど、昨日は化粧を落とす余裕なんてなかったし、泣きながら寝たのもあり、瞼がものすごく腫れぼったい。
しかも、なんでだろう、左腕がものすごく痛いんだけど。
「……あ」
左腕が痛い、というので思い出した。
そうだ、夜中に左腕に激痛が走って目が覚めたんだ。
左腕に視線を向けて、ぎょっとした。
「え、なにこれ」
アンティーク・リンティの店舗スタッフは、白いブラウスに黒いスカートかズボンで、おそろいのエプロンというのが規定の服装だ。
お店は家から歩いてすぐだし、白いブラウスと黒いスカートは別に外に着て出てもおかしくない。
ただ、これだけだと少し肌寒いので、白いカーディガンを羽織っていたのだけど、なんと左腕の部分に、赤い手の跡がついていたのだ。
なにこれ、どういうこと……?
腕が痛かったのは、これのせい……なの?
わたしは怖くなって、着ていたカーディガンを脱ぐと、床に投げ捨てた。