この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
恋はいつでも平行線【完結】
第14章 *十四*
覚えのない、赤い手形が残るカーディガンが気持ちが悪くて、脱ぎ捨てたのがいけなかった。
「お、やる気になったのか」
すっかり忘れていたけれど、今、部屋には臣哉がいたのだ。
「そんなわけ、ないじゃない! これを見なさいよ!」
わたしは床に投げ捨てたカーディガンを指さした。
だけど床の上に落ちたカーディガンは、赤い手形が隠れて、見えなくなっていた。
臣哉は視線を向けただけで、拾って確認をすることはなかった。
「オレとやりたいから脱いだんだろう?」
「違うわよ! 拾って確認しなさいよ! 赤い手形がついてて、気持ちが悪いんだから!」
そう言っても、臣哉は確認をするどころか、にやにやと笑みを浮かべて近寄ってきた。
「柚希もオレと同じなんだろう?」
「……同じって、なによ」
こんな男と同じと思われているとは、屈辱なのですが!
こいつのことだから、絶対ロクなことを考えていない!
「昨日、あれからずっと、柚希のナカの気持ちよさが忘れられなくて、つらかった」
「なに言ってるのよ、強姦魔!」
「それに昨日、親父から聞いたけど、求婚しに来たんだろ?」
「…………は?」
「もうちょっと遊びたかったけど、柚希だったらオレは別にいいぜ」
昨日のあの話、なにをどう聞いたらそう思えるのか、だれかわたしに教えてくれますか。
まさかの斜めの解釈に、唖然としてしまった。
しかも。
「オレ、親父の跡を継ぐの、嫌だったんだよな。敬人さんが店を引き受けてくれるっていうし、柚希が養ってくれるんだろ? 三食昼寝付きの理想の生活だなんて、贅沢すぎるよな!」
本気の本気で、唖然としてしまった。
なにをどうとれば、そう受け取れるの?
しかも。
「────っ!」
ベッドに上がり込むと、わたしの身体を強く抱きしめてきた。
そうされると、左腕は痛いし、昨日の行為のせいで節々が痛くて悲鳴を上げたくなったのに、さらに臣哉はわたしのあごをつかむと、顔をぶつける勢いで近づけてきて、唇を重ねてきた。
色気もなにもあったものではない、キス。
臣哉に処女を奪われただけではなくて、ファーストキスまで……!
「お、やる気になったのか」
すっかり忘れていたけれど、今、部屋には臣哉がいたのだ。
「そんなわけ、ないじゃない! これを見なさいよ!」
わたしは床に投げ捨てたカーディガンを指さした。
だけど床の上に落ちたカーディガンは、赤い手形が隠れて、見えなくなっていた。
臣哉は視線を向けただけで、拾って確認をすることはなかった。
「オレとやりたいから脱いだんだろう?」
「違うわよ! 拾って確認しなさいよ! 赤い手形がついてて、気持ちが悪いんだから!」
そう言っても、臣哉は確認をするどころか、にやにやと笑みを浮かべて近寄ってきた。
「柚希もオレと同じなんだろう?」
「……同じって、なによ」
こんな男と同じと思われているとは、屈辱なのですが!
こいつのことだから、絶対ロクなことを考えていない!
「昨日、あれからずっと、柚希のナカの気持ちよさが忘れられなくて、つらかった」
「なに言ってるのよ、強姦魔!」
「それに昨日、親父から聞いたけど、求婚しに来たんだろ?」
「…………は?」
「もうちょっと遊びたかったけど、柚希だったらオレは別にいいぜ」
昨日のあの話、なにをどう聞いたらそう思えるのか、だれかわたしに教えてくれますか。
まさかの斜めの解釈に、唖然としてしまった。
しかも。
「オレ、親父の跡を継ぐの、嫌だったんだよな。敬人さんが店を引き受けてくれるっていうし、柚希が養ってくれるんだろ? 三食昼寝付きの理想の生活だなんて、贅沢すぎるよな!」
本気の本気で、唖然としてしまった。
なにをどうとれば、そう受け取れるの?
しかも。
「────っ!」
ベッドに上がり込むと、わたしの身体を強く抱きしめてきた。
そうされると、左腕は痛いし、昨日の行為のせいで節々が痛くて悲鳴を上げたくなったのに、さらに臣哉はわたしのあごをつかむと、顔をぶつける勢いで近づけてきて、唇を重ねてきた。
色気もなにもあったものではない、キス。
臣哉に処女を奪われただけではなくて、ファーストキスまで……!