この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
恋はいつでも平行線【完結】
第14章 *十四*
しかも、しかも!
甘い声で好きだと囁きながら、キスの雨を降らされてしまえば、相手が臣哉だったとしても、胸がざわめき、高鳴ってしまう。
これは、卑怯だ。
でも臣哉、わたしのこと、嫌ってたよね?
それなのにどうして?
臣哉がなにをもって、心にない言葉を口にしてくるのか。
首をひねって、臣哉の横顔を見る。
うっすらと笑みをたたえた顔を見て、どうしてそんな言葉を口にしたのか分かった。
臣哉は昨日まで、童貞だった。
臣哉がひたすらにナンパを続けていたのは、一刻も早く、童貞から抜け出たかったからだ。
わたしは不本意だけど、臣哉はわたしを使って念願の脱・童貞できた。
わたしは臣哉相手で嫌だったけれど、それでも、気持ちがよかった。
臣哉ではなく、今はまだわたしの前に現れていない好きな人がいれば、また、あの気持ち良さを体感したいと思うくらいには思えた。
だけど臣哉は、違う。
臣哉は基本、我慢できないヤツだ。
こちらも不本意であるけれど、臣哉はわたしとして、気持ちが良かったのだ。
肉欲に捕らわれた臣哉は、昨日の気持ち良さを──ううん、昨日よりもっと気持ち良くなろうとして、わたしのところへとやってきた。
……肉欲に、捕らわれ……た?
「え……」
自分でそう考えたけれど、ちょっと待って!
これって、これって、もしかしなくても。
「取り、憑かれて……る?」
甘い声で好きだと囁きながら、キスの雨を降らされてしまえば、相手が臣哉だったとしても、胸がざわめき、高鳴ってしまう。
これは、卑怯だ。
でも臣哉、わたしのこと、嫌ってたよね?
それなのにどうして?
臣哉がなにをもって、心にない言葉を口にしてくるのか。
首をひねって、臣哉の横顔を見る。
うっすらと笑みをたたえた顔を見て、どうしてそんな言葉を口にしたのか分かった。
臣哉は昨日まで、童貞だった。
臣哉がひたすらにナンパを続けていたのは、一刻も早く、童貞から抜け出たかったからだ。
わたしは不本意だけど、臣哉はわたしを使って念願の脱・童貞できた。
わたしは臣哉相手で嫌だったけれど、それでも、気持ちがよかった。
臣哉ではなく、今はまだわたしの前に現れていない好きな人がいれば、また、あの気持ち良さを体感したいと思うくらいには思えた。
だけど臣哉は、違う。
臣哉は基本、我慢できないヤツだ。
こちらも不本意であるけれど、臣哉はわたしとして、気持ちが良かったのだ。
肉欲に捕らわれた臣哉は、昨日の気持ち良さを──ううん、昨日よりもっと気持ち良くなろうとして、わたしのところへとやってきた。
……肉欲に、捕らわれ……た?
「え……」
自分でそう考えたけれど、ちょっと待って!
これって、これって、もしかしなくても。
「取り、憑かれて……る?」