この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
恋はいつでも平行線【完結】
第16章 *十六*
*
部屋に戻ったところで、枕元に置いていたスマホが震えた。
ふと画面を見ると、臣哉からだった。
嫌な予感しかしないけれど、見ないわけにもいかなかったので、操作をしてメッセージを読んだ。
『そちらに荷物を運ぶ』
と一言。
え、ちょっと待って?
荷物を運ぶって……どういうことっ?
とそこで、昨日、朦朧としている中で臣哉が言った言葉を思い出した。
──どう考えても結婚は決定事項だから、明日になったらここに引っ越してくる。幸いにも部屋は余ってるんだろう?
わたしは拒否の言葉を言いたくても、臣哉が突き上げてきて、喘ぎ声しか出せなかった。
ねえこれ、本気の本気なの?
臣哉がここに来たら、わたし、本気で壊されてしまう……!
これは一刻も早く実家に帰らなければ!
わたしは手に持っていたスマホをベッドの上に放り投げ、財布だけを手にして、慌てて外に出た。
たぶんまだ、マスターキーは臣哉の手元にある。この建物の鍵を持って実家に戻ると、臣哉のやりたい放題になりそうだ。
伯父さんに鍵を託したいけれど、呼び出す時間も惜しいから、リンティに預けよう。
お店に行くと、日曜日ということもあり、店内はそこそこ賑わっていて、カウンター内に新開さんがいた。
「新開さん! 伯父さんにこれ、渡しておいて!」
「え、え、柚希さんっ?」
「ちょっと緊急事態が起こったから、実家にいるとも伝えておいて。それじゃ!」
戸惑う新開さんに鍵と伝言を託すと、わたしは慌てて店を出て、駅へと向かった。
部屋に戻ったところで、枕元に置いていたスマホが震えた。
ふと画面を見ると、臣哉からだった。
嫌な予感しかしないけれど、見ないわけにもいかなかったので、操作をしてメッセージを読んだ。
『そちらに荷物を運ぶ』
と一言。
え、ちょっと待って?
荷物を運ぶって……どういうことっ?
とそこで、昨日、朦朧としている中で臣哉が言った言葉を思い出した。
──どう考えても結婚は決定事項だから、明日になったらここに引っ越してくる。幸いにも部屋は余ってるんだろう?
わたしは拒否の言葉を言いたくても、臣哉が突き上げてきて、喘ぎ声しか出せなかった。
ねえこれ、本気の本気なの?
臣哉がここに来たら、わたし、本気で壊されてしまう……!
これは一刻も早く実家に帰らなければ!
わたしは手に持っていたスマホをベッドの上に放り投げ、財布だけを手にして、慌てて外に出た。
たぶんまだ、マスターキーは臣哉の手元にある。この建物の鍵を持って実家に戻ると、臣哉のやりたい放題になりそうだ。
伯父さんに鍵を託したいけれど、呼び出す時間も惜しいから、リンティに預けよう。
お店に行くと、日曜日ということもあり、店内はそこそこ賑わっていて、カウンター内に新開さんがいた。
「新開さん! 伯父さんにこれ、渡しておいて!」
「え、え、柚希さんっ?」
「ちょっと緊急事態が起こったから、実家にいるとも伝えておいて。それじゃ!」
戸惑う新開さんに鍵と伝言を託すと、わたしは慌てて店を出て、駅へと向かった。