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プールサイドの恋人
第5章 瀬川 恭平
コーヒーを買って歩いてると

更衣室へ向かうと言い争うような声が聞こえてくる。

瀬川は声のする部屋へ入っていく。

「ちょっと瀬川さん、どこ行くんですかっ!

ロビーの方向と違う」

「面白そうじゃない?他人の修羅場って。

入ってみようよ。ちょっとだけだから」

「ぜったい見つかりますよ!ほら 戻りましょ!」

散歩に行かない犬に飼い主が引っ張られような

絵面だった。

瀬川さんが犬に例えるなんて失礼か。

陽菜も抵抗虚しく部屋に入る。


入ったのは準備室。使わなくなったポールや

ビート板が山積みにされている。


部屋の中には用具にシートが被さっている

そこへ隠れないとバレそうだったので

仕方なく2人で入った。

シートの湿気臭い匂いがした。

用具の高さは瀬川くらいの身長180センチくらいある。

口論してるのは受付の紗綾と佐伯だった。

他人じゃないよ…。

どうせなら佐伯さんじゃない人がよかった。

陽菜は冷や汗が出てきた。





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